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日経平均は小幅続伸、企業決算見極めムードで上値重い

 日経平均は小幅続伸。14.54円高の23875.75円(出来高概算6億1698万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあると伝わったほか、米大統領選の民主党候補者指名争いが難航しているとの見方が優勢になるなか、トランプ大統領有利の公算が高まったことで主要3指数は揃って上昇。

 一方、東京市場寄り付き前に中国湖北省での新型肺炎感染症例の急増が報じられたことで、225先物に対して機械的な売りが入り、為替相場でも1ドル=110円台を割り込んだ。また、週末に控える2月SQ(特別清算指数)値算出を前にしたポジション調整の売買も観測されており、本日の日経平均はマイナススタートとなった。しかし、アジア株式市場が底堅い推移をみせるなか、明日にかけて約800社近くある企業決算の内容を見極めたいとするムードが強まり、売り一巡後の日経平均はプラス圏での動きになった。

 セクターでは、金属製品、鉱業、空運業が1%超の上昇となった一方で、鉄鋼やパルプ・紙、機械はさえない展開であった。売買代金上位銘柄では、過度な株価下落を反映した米系証券による投資判断の格上げ観測を受けたファーストリテのほか、東京エレクトロン、資生堂、レーザーテック、SUMCO、ルネサスエレクトロニクス、大幸薬品、オリエンタルランド、太陽誘電、村田製作所、アドバンテスト、ホンダ、ソフトバンクが上昇。一方で、任天堂、ソニー、トヨタ自動車、ダイキン工業、コマツはさえない。なお、前日に大幅減益決算を発表したソフトバンクGは前引け時点では小幅安に留まった。

 本日の東京市場での反応が注目されていたソフトバンクGに関しては、朝方の売り先行後には一時プラスに転じる場面があった。同社は前日に第3四半期決算を発表、10-12月期業績は7-9月期の大幅赤字からは営業黒字に転換した格好となる。出資先企業の公正価値下落によってビジョンファンド事業が2251億円の赤字となった一方で、ソフトバンク事業が2440億円の収益を計上。自社株買いは資金に余裕があれば実施するとしているほか、ファンド事業は株価上昇で1月以降損益は改善しているもようであることから、株価への悪影響は限定的であったようだ。

 ソフトバンクG株が底堅い動きを見せている点は、多くの投資家にとってもひとまず安心感を誘う材料として意識されよう。前述した新型肺炎感染症例急増のヘッドラインを受けた機械的な売りや2月SQ前のポジション調整的な売買が意識されたことで、日経平均も朝方こそ5日移動平均線を割り込む場面があったが、前引けにかけては同水準を取り戻す展開となっている。

 日経平均が節目の24000円を本格的に突破するには日本企業の業績底入れを確認する必要があるといった見方が現状は大勢であるなか、明日にかけて発表される企業決算を前に積極的に上値を追いにくい地合いが想定される。このような状況下では、決算に絡んだ物色を除くと、東証1部の中小型株や、出遅れ感の意識されている新興市場銘柄に対する幕間つなぎ的な商いが主体になりやすいとみられる。

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