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NYの視点:今週の注目:米2月CPI、PPI、ECB定例理事会、中国貿易収支など

投機家や投資家のポジジョンを示す週次統計で円の売り持ちは前々週から減少した。

米国や世界経済が景気後退入りするとの懸念も強まる中、今週は引き続き新型肺炎の感染による景気や企業業績への影響を見極める展開となる。米連邦準備制度理事会(FRB)は緊急利下げに踏み切ったのちもFRB高官はさらなる行動をとる可能性を示唆しており、金利先物市場でも2週間後に控えている連邦公開市場委員会(FOMC)でさらに0.5%の追加利下げを織り込みつつある。

ただ、新型肺炎の感染拡大問題の解決には財政の対応も必至となる。このため、トランプ政権による緊急支援策の有無にも焦点が集まる。クドロー国家経済会議(NEC)委員長は政府が特に被害が大きい航空会社や中小企業に的を当てた支援策を検討する可能性を示唆しており、何らかの具体策が発表されると投資家の不安を緩和させる。リスク回避の動きやドル売りが一段落する可能性もある。

FRBの緊急利下げに加えて、カナダ中央銀行も予想以上の利下げに踏み切り、必要とあればさらなる対応をとるとの方針を示した。今週理事会を予定している欧州中央銀行(ECB)や月後半に会合を予定している英国中央銀行にも圧力となる。ECBはすでに大規模緩和を実施中で、マイナス金利を導入しているが、次回の理事会で追加緩和に踏み切るかどうかに注目が集まる。

米国の経済指標では重要なインフレ指標の2月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が相場材料となる。特に注目されるのは、3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値。新型肺炎の感染拡大がどのように消費者信頼感に影響したかを判断する。消費は米国経済を左右する。予想は95と、2月101から大幅な低下が予想されている。そのほか、中国の2月輸出や輸入の大幅鈍化が警戒される。

米国債相場は「質への逃避」で投資家のパニック買いが加速したため先週は急伸した。米10年債利回りが急低下、0.66%となった。ただ、「新債券王」との別名を持つダブルラインキャピタルのCEO、ガンドラック氏は「ほぼ底」との見解を示しているが、下げ止まるかどうかに注目したい。

■今週の主な注目イベント

●米国
11日:2月消費者物価指数(CPI):予想前年比+2.2%(1月+2.5%)、
コア:前年比+2.3%(1月+2.3%)
12日:2月生産者物価指数(PPI):予想前年比+1.8%(1月+2.1%)、
コア:前年比+1.7%(1月+1.7%)
13日:2月輸入物価指数:予想前月比—1.0%(1月0)、
3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報:予想95(2月101)

●欧州
10日:10−12月期GDP確定値:+0.1%(速報+0.1)
12日:ECB定例理事会

●独
13日:2月消費者信頼感指数:予想前月比+0.4%(1月+0.4%)

●中国
2月貿易収支予想+3885ドル、
輸出:予想前年比—16.2%、輸入:予想前年比—16.1%

●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
シリア
イエメン
香港

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