マネーボイス メニュー

日経平均は2万円割れ、消去法的に内需シフトへ

 日経平均は急落。1276.68円安の19473.07円(出来高概算11億1000万株)で前場の取引を終えた。世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、経済が景気後退入りする確率が一段と高まったため投資家心理が悪化。さらに、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とそれ以外の主要産油国で構成するOPECプラスは6日、「2020年6月末までに関する日量150万バレルの追加減産の実施」で合意できず、協議は決裂。サウジアラビアは増産に踏み切る計画なども伝えられるなか、幅広い銘柄に売りが先行した。

 20300円水準から始まった日経平均は、グローベックスのNYダウ先物が1000ドルを超える下落で推移していたほか、外国為替市場で円相場は対ドルで一時1ドル101円台まで円高が加速する中、一段と投資家のリスク回避姿勢が強まった。日経平均は節目の2万円をあっさり割り込むと、前引けには19500円を下回る大幅な下落となった。

 東証1部の騰落銘柄は、値下り数が2100を超えており、全体の98%を占める全面安商状。セクターでは33業種全てが下げており、鉱業の下落率が12%を超えたほか、石油石炭、鉄鋼、証券、非鉄金属、サービス、金属製品、電気機器、機械、不動産の弱さが目立つ。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクGが1社で日経平均を100円超下押しているほか、ファーストリテ、東エレク、リクルートHD、ファナック、ダイキンなど軒並み大きく値を下げている。

 新型コロナウイルスの感染拡大に加えて、原油相場の急落が投資家のセンチメントを大きく悪化させた格好となった。指値状況の薄い中を換金売りで大きく下押す格好であり、マザーズ指数は10%近く下落するといったショック安に見舞われている。上方修正など業績面での反応は限られ、クローズする流れが強まっている。さらに、ネット証券では通信障害もあったようであり、よりパニックにさせた格好であろう。

 日経平均は一気に2019年1月4日以来の水準まで急落しているが、週明けの米国市場の下落も警戒されており、日銀のETF買い入れ等によって下げ渋る動きをみせたとしても、売りのタイミングとして意識されやすいところである。一方で、内需志向に物色がシフトしてきており、内需の3月期決算で高配当の銘柄などへは、消去法的に資金が向かいやすい面もありそうだ。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。