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後場に注目すべき3つのポイント~消去法的に内需シフトへ

9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は2万円割れ、消去法的に内需シフトへ
・ドル・円は急落、原油や株価の大幅安で一時101円台
・値下がり寄与トップはファーストリテ、同2位はソフトバンクG

■日経平均は2万円割れ、消去法的に内需シフトへ

日経平均は急落。1276.68円安の19473.07円(出来高概算11億1000万株)で前場の取引を終えた。世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、経済が景気後退入りする確率が一段と高まったため投資家心理が悪化。さらに、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とそれ以外の主要産油国で構成するOPECプラスは6日、「2020年6月末までに関する日量150万バレルの追加減産の実施」で合意できず、協議は決裂。サウジアラビアは増産に踏み切る計画なども伝えられるなか、幅広い銘柄に売りが先行した。

20300円水準から始まった日経平均は、グローベックスのNYダウ先物が1000ドルを超える下落で推移していたほか、外国為替市場で円相場は対ドルで一時1ドル101円台まで円高が加速する中、一段と投資家のリスク回避姿勢が強まった。日経平均は節目の2万円をあっさり割り込むと、前引けには19500円を下回る大幅な下落となった。

東証1部の騰落銘柄は、値下り数が2100を超えており、全体の98%を占める全面安商状。セクターでは33業種全てが下げており、鉱業の下落率が12%を超えたほか、石油石炭、鉄鋼、証券、非鉄金属、サービス、金属製品、電気機器、機械、不動産の弱さが目立つ。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクGが1社で日経平均を100円超下押しているほか、ファーストリテ、東エレク、リクルートHD、ファナック、ダイキンなど軒並み大きく値を下げている。

新型コロナウイルスの感染拡大に加えて、原油相場の急落が投資家のセンチメントを大きく悪化させた格好となった。指値状況の薄い中を換金売りで大きく下押す格好であり、マザーズ指数は10%近く下落するといったショック安に見舞われている。上方修正など業績面での反応は限られ、クローズする流れが強まっている。さらに、ネット証券では通信障害もあったようであり、よりパニックにさせた格好であろう。

日経平均は一気に2019年1月4日以来の水準まで急落しているが、週明けの米国市場の下落も警戒されており、日銀のETF買い入れ等によって下げ渋る動きをみせたとしても、売りのタイミングとして意識されやすいところである。一方で、内需志向に物色がシフトしてきており、内需の3月期決算で高配当の銘柄などへは、消去法的に資金が向かいやすい面もありそうだ。

■ドル・円は急落、原油や株価の大幅安で一時101円台

9日午前の東京市場でドル・円は急落。NY原油先物(WTI)が1バレル=30ドル程度まで落ち込んだほか、日経平均株価が20000円の大台を割り込むなど急激な変動がみられ、リスク回避のドル売り・円買い主導の展開となった。ドルは一時101円半ばまで大きく下げ、その後の戻りは鈍い。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は101円58銭から104円60銭、ユーロ・円は117円94銭から118円34銭、ユーロ・ドルは1.1337ドルから1.1396ドル。

■後場のチェック銘柄

・Abalanceがストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファーストリテ、同2位はソフトバンクG

■経済指標・要人発言

【要人発言】

・財務省幹部
「為替の動向、神経質な動きになっており緊張感をもって見守る」
「NY原油安や新型ウイルス感染拡大による米経済への影響も反映」
「金融庁や日銀との3者会合を開くか決めていない」

【経済指標】

・日・10-12月期GDP2次速報:前期比年率-7.1%(予想:-6.6%、1次速報:-6.3%)
・日・1月経常収支:+6123億円(予想:+6235億円、12月:+5240億円)

<国内>
・14:00 2月景気ウォッチャー調査・現状(予想:35.7、1月:41.9)

<海外>
・15:45 スイス・2月失業率(1月:2.6%)
・16:00 独・1月鉱工業生産(前月比予想:+1.6%、12月:-3.5%)
・16:00 独・1月貿易収支(12月:+152億ユーロ)

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