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新型コロナ、完治後も他人に感染? 研究が進む新症状「胃腸障害」と8つの変種=高島康司

日本ではほとんど報道されていない新型コロナウイルスの関連情報で、特に我々が知っておいた方がよいと思われる情報を重点的に紹介する。症状が消えた後もウイルスが体内に残って感染する可能性と、新たに判明した症状についてだ。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

【関連】なぜ日本の新型コロナ致死率は異常に高い? 臭覚・味覚異常が感染の兆候か=高島康司

※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2020年4月3日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

日本では未報道の新型コロナウイルス関連の情報

日本の感染者数は2,000人を越え、2,229人(4月1日時点)となった。66人が死亡し、424人が回復している。致死率は2.96%で、回復率は19.02%だ。

また、感染者数が世界でもっとも多いアメリカでは、感染者数は19万人近くになり、4,061人が死亡した(4月1日時点)。このまま拡大の勢いが止まらないと、今後数カ月で10万人から24万人が死亡するとアメリカでは予測されている。

日本では緊急事態宣言や首都圏のロックダウンなどが秒読み段階に入ったとの観測もあり、予断を許さない状況になっている。

そのようななか、新型コロナウイルスの研究は急ピッチで進展しており、新しい膨大な数の研究論文が発表されている。

パンデミックが続いているさなかで、特効薬やワクチンの開発が望まれている現状なので、多くの論文は「未査読」の状態で出されている。普通、正式な研究論文が発表されるとき、それは「査読」といって同一分野の研究者の審査を受ける。その審査と批判に耐えられないものは発表されない。

しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが続き、その抑制策が急がれてる状況では、時間のかかる「査読」をしている余裕がない。

そのため、「未査読」の論文を掲載できるオンラインのサイトには、最新の研究論文が多数掲載されている。それらは「未査読」なので、日本の主要メディアで報じられることはまずない。

一方、いま我々は感染しないかどうか不安のなかに生きている。新型コロナウイルスは未知のウイルスで、分からないことも多いからだ。

そこで今回は、こうした「未査読」のものも含め、我々も知っておいたほうがよいだろうと思われる情報を紹介する。

症状が消えた後もウイルスは残る

いま世界でも日本でも、新型コロナウイルスの感染者のうち8割が軽症で済み、カゼ程度の症状しか経験しないと言われている。そうした人々は50歳以下の比較的に若い人だとされ、時間とともに症状も消え、完治すると見られている。

しかし、リーキシン・ジー博士とロケッシュ・シャーマ博士が「呼吸器と救急救命のアメリカン・ジャーナル」という医学雑誌に発表した論文によると、1月28日から2月9日までの期間に軽度の症状で「北京総合病院」に入院し、その後完治して退院した16人の感染者を退院後数日経ってから再検査したところ、そのうちの半数は依然として新型コロナウイルス(Covid-19)に感染していた。

16人の軽症の感染者の平均年齢は、35,5歳だった。そして、軽度の咳き、熱、咽頭の痛み、呼吸困難などの症状か消えてからも、1日から8日間、新型コロナウイルスは体内に残留していた。

この結果から分かることは、カゼ程度の軽度な症状で自宅で療養し、その後症状が消滅して完治した人々でも、ウイルスはまだ体内に残っている可能性があるので、動きまわって濃厚接触すると、ウイルスを撒き散らす結果になるということだ。

論文の執筆者は、症状が消えた後も少なくとも2週間は自己隔離すべきだとしている。

日本でも新型コロナウイルスに感染しながらも、症状が軽度なので、自宅で療養している人も多いはずだ。

現在の感染速度であれば、こうした人が今後もどんどん増加する見通した。そして、多くの場合、重症化することなく症状は消えてしまう。

しかし、まだウイルスが体内に残っている可能性があるので、症状の消滅後すぐに活動すると、新たな感染源になってしまう可能性がある。

このように、これから日本でも新型コロナウイルスの回復者が新たな感染源になるというケースも増えるのかもしれない。ぜひ注意してほしい。

Next: 次は、新型コロナ感染で重症化の兆候となる可能性のある激しい胃腸障害の――



重症化のもうひとつの症状「胃腸障害」

次は、新型コロナウイルス感染で重症化の兆候となる可能性のある激しい胃腸障害の症状についてだ。

新型コロナウイルス感染で重症化した場合の一般的な症状は、重度の肺炎である。喉から肺の奥まで炎症が発生し、呼吸不全から死に至るケースだ。

これは新型コロナウイルスが細胞に侵入するときに利用される「ACE2」というレセプターが肺胞細胞に集中的に発現しており、そこでウイルスが増殖することによる。

いまは心臓や腎臓に発現している「ACE2」レセプターから体内に侵入して、心疾患や腎臓疾患をいきなり引き起こすケースも確認されている。それが、新型コロナウイルスの新種であるとする議論もある。

今回、「南京医科大学」の研究チームが3つの病院で入院している1,314人の感染者を調査したとろこ、86人の重症患者の86%に重度の胃腸障害があった。

ストレスやショック、そして炎症などさまざまな原因で胃腸障害は発生するので、新型コロナウイルスの感染とは一概に結び付けることはできない。しかし、胃腸にも「ACE2」レセプターが発現していることから、そこから胃腸に入った新型コロナウイルスが障害を引き起こした可能性もある。

また、激しい胃腸障害を持つ患者では敗血症を発症し、これが引き金となり死亡するケースも見られた。

このように見ると、激しい胃腸障害が、新型コロナウイルスの感染で患者が重症化するかどうかの予兆にもなり得る可能性がある。

この「未査読」の論文の執筆者は、激しい胃腸障害の症状を見逃さないようにすべきだとしている。

8つの異なる新型コロナウイルスの株

このように、新型コロナウイルス蔓延が拡大するなか、急速に進む研究によって「Covid-19」の多様な特徴が解明されつつある。そうした研究でももっとも注目されているのは、新型コロナウイルスの変異に関する研究だ。

しかし、さまざまな記事を読むと、なにを基準にして変異型を特定するのか、そしてどのくらいの変異型のタイプがあるのか統一した見解はまだないようだ。

このメルマガの記事でも新型コロナウイルスは進化しつつあり、4つの異なるレセプターから細胞に侵入して、それぞれ異なった症状を引き起こすタイプがあることを書いた。

それらは、次のレセプターだ。
・ACE2 レセプター
・フーリン蛋白質
・GRP78 レセプター
・CD147 レセプター

レセプターの違いは、それぞれ新型コロナウイルスの変異型を表しているとする見方がある。

一方、3月初旬には武漢発祥の新型コロナウイルスには、もともと「L型」と「S型」という2つのタイプがあることが、日本でも報道された。これは、遺伝子配列に基づく分類である。

中国の英字科学誌「国家科学評論」によると、ウイルスのサンプル103例の遺伝子配列を調べ、うち101例を「L型」か「S型」に分類した。

約70%がL型だった。「L型」の方が感染力が強いとみられ、湖北省武漢で爆発的流行が起きた時期に多く確認され、1月初旬以降は減少した。

「S型」はコウモリから検出されたコロナウイルスに遺伝子的に近く、古い型とみられる。一つの型にだけ感染する症例が大半だったが、武漢への旅行歴のある米国の患者1人は、両方の型に感染した可能性があった。

このように、さまざまな研究から新型コロナウイルスには明らかに変異型が見られるものの、どのくらいの種類の変異型が存在するのか分かりにくい状態が続いていた。

そうしたとき、3月27日に米主要紙のひとつである「USAツデー(USA Today)」に興味深い記事が掲載された。

それは「8つの株が世界を循環している、科学者に与えたヒントがこれだ」という題名の記事だ。

Next: これまでさまざまな研究者が行っていた新型コロナウイルスの遺伝子解析を――



新型コロナウイルスの進化と変異のタイプが判明?

これは、これまでさまざまな研究者が行っていた新型コロナウイルス(Covid-19)の遺伝子解析をすべて総合した結果、新型コロナウイルスの進化と変異のタイプが判明したという。

DNAの二重螺旋やRNAは特定の塩基を組み合わせた塩基対でできているが、新型コロナウイルスの塩基対は数が少なく3万しかない。人間では30億近くある。

塩基対が少ないため、塩基対で起こる変化は容易に追跡でき、新型コロナウイルスの株の系統樹が作成できるという。

これで、どの株が親であり、どれが子や孫であるのかが一目で分かる。

これは、世界のあらゆる地域の研究者が6つの大陸にわたる36の国の感染者から採取した新型コロナウイルスの塩基対の分析に基づいて作成された。

すると、新型コロナウイルスには異なった8つの変異型があることが分かった。

研究者は協力して「ネクストストレイン(NextStrain)」というサイトを立ち上げた。ここは新型コロナウイルスにみならず、「SARS」など最近蔓延した代表的なウイルスの変異型も表示している。

メニューで「Covid-19」を選ぶと、いま発見されている株の系統樹を見ることができる。下がそのアドレスだ。ぜひ見てほしい。「Play」のボタンを押すと、ウイルスの拡大と進化の状況がアニメーションで見ることができる。
https://nextstrain.org/ncov?animate=2019-12-05,2020-03-29,0,0,30000

なにが分かったのか?

この記事によると、この8種類のタイプが新型コロナウイルスのすべての変異を示しているわけではないとしている。

研究者らによれば、おそらく調査しきれていない膨大な種類の新たな株があるだろうから、今回明らかになった8種類の変異は、氷山の一角かもしれないという。

それでも今回の包括的な調査で明らかになったことは多い。以下である。

1)新型コロナウイルスは比較的に進化が遅い

インフルエンザウイルスなどと比べると、新型コロナウイルスは比較的に進化の速度が遅い。おそらくその理由は、新型コロナウイルスの感染力は強く、容易に人に感染できてしまう。またこれを撃退できるワクチンや特効薬もない。そうした状況では、進化を促す圧力は弱いので、進化のスピードも遅くなる。

2)変種の間の毒性はほとんど変わらない

それぞれの新型コロナウイルスの変異型の間の変化はさほど大きくない。比較的に小さな変化しかない。そのため、それぞれの変異した種類の間で毒性が大きく異なるとは考えにくい。

他方、アジア、ヨーロッパ、北米などの国々で致死率に大きな違いが見られ、新型コロナウイルスの毒性が地域によって大きく異なっているように見える。だがこれは、PCR検査の件数が地域によって異なっているため、感染者数に違いがあるためだ。検査件数が少なく、実際の感染者数が多い国では致死率は高く現れ、検査件数の多い国では致死率は低目に出る。ウイルスの変異型間の毒性の違いが原因ではない。

3)新型コロナウイルスは研究所由来ではない

今回の新型コロナウイルスが研究所で人工的に作られたものであるとする意見が多いが、それを示す証拠はほとんどない。今回明らかになった系統樹を見ると、すべての新型コロナウイルスの親となる株は、武漢のコウモリ由来のものだった。

もし新型コロナウイルスが研究所で人工的に作られた兵器のようなものであれば、最初の感染はコウモリのような動物ではなく、人間から始まっていてしかるべきだ。

Next: 東アジアのウイルスと北米、ヨーロッパのそれとは異なったタイプ――



4)東アジアのウイルスと北米、ヨーロッパのそれとは異なったタイプ

この系統樹のマップを見ると、中国、韓国、日本などの東アジアで蔓延しているウイルスは、武漢で発生した型であるのに対し、ヨーロッパと北米はそれぞれ異なった変種である。

以上である。

これが、いままでさまざまな見方が出ていた新型コロナウイルスの変異型に関するもっとも包括的な研究である。

もちろんこれがすべてではなく、毒性の強い新しい変異型が発見される可能性もある。またこのウイルスが人工的に作成されたことを示す別な証拠が出てくるかもしれない。少なくともその可能性は否定できない。

しかしながら、現時点では、この「ネクストストレイン(NextStrain)」が最新の結果だ。このメルマガでは、新型コロナウイルスに関するさまざまな最新情報を紹介する。参考にしていただきたい。

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」(2020年4月3日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

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