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リバーサルの流れが継続するかは見極めたいところ【クロージング】

11日の日経平均は続伸。211.57円高の20390.66円(出来高概算13億1000万株)で取引を終えた。先週末の米国株高の流れを受けて買い先行で始まると、一時20534.88円まで上げ幅を広げる局面もみられた。中国の劉鶴副首相が米国との貿易協議を開催したことを明らかしたことで、米中関係の悪化懸念が後退。また、国会では緊急事態宣言の解除を判断する基準や、第2次補正予算案の成立を目指すと伝わったことが材料視された。ただし、次第にこう着感が強まる展開となり、後場は20400円を挟んでの狭いレンジでの取引だった。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1700を超えており、全体の8割近くを占めている。セクターでは、空運の上昇率が10%を超えたほか、海運、鉄鋼、非鉄金属、繊維、陸運、輸送用機器などの強さが目立った。半面、証券、医薬品、精密機器、その他製品、情報通信が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ、リクルートHD、スズキ、東エレクがけん引。一方で、エムスリー、中外薬、塩野義が重石に。

日経平均は、後場については130円程度の狭いレンジでの取引だったが、200円を超える上昇で取引を終えており、底堅い相場展開だった。20500円回復で一旦は達成感から利益確定の流れもありそうだが、グローベックスの米株先物はNYダウが小幅な上昇にとどまっており、積極的な上値追いの流れには向かいづらいところであろう。また、出来高は13億株台にとどまっており、売買代金についても2.2兆円にとどまっている。インデックスに絡んだ商いが中心であり、ショートカバーが主体とみられる。新規での積極的な買いの動きは考えづらいところであり、大きくトレンドが出難いところでもあるだろう。

また、今週は決算発表がピークとなるため、アク抜けを想定したとしても、先回り的な資金は期待しづらいところ。本日は、売り込まれていた銘柄やセクターへのリバーサルの流れが強まったが、明日以降は、この流れが継続するかを見極める必要があるだろう。先駆していた銘柄へは利益確定の流れとなったが、こちらについても、押し目買い意欲は強いと見ておきたい。

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