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新興市場見通し:ハイテク株高の流れがマザーズ支え、IPO3社も人気化に期待

先週の新興市場では、日経平均が22000円台で一進一退の展開となるなか、マザーズ指数は週間で上昇に転じた。日米株式市場でハイテク株優位が鮮明となり、マザーズでもインターネット・IT関連株を中心に買いを集めた。ただ、前の週に株価トレンドを崩したバイオ・ヘルスケア関連株などは引き続き売りに押され、マザーズ指数も週前半に1000pt台を回復すると、1010pt台に位置する25日移動平均線に上値を抑えられる形で一進一退となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.1%であったのに対して、マザーズ指数は+2.6%、日経ジャスダック平均は+0.6%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリが週間で10.1%高、フリーが同12.8%高、JMDCが同14.2%高と大きく上昇。ネットショップ作成支援のBASEは同20.3%高となり、マザーズ時価総額9位に浮上してきた。売買代金上位ではステムリムやAimingが大きく買われ、直近上場のロコガイドが週間のマザーズ上昇率トップとなった。反面、アンジェスが同5.8%安となり、グッドパッチやプレシジョン・システム・サイエンスが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズが同7.0%高、セリアが同9.5%高となったが、日本マクドナルドHDは同3.0%安と軟調。セリアとマクドナルドは6月既存店売上を巡り明暗が分かれた。また、コロワイドによる株式公開買付け(TOB)開始が発表された大戸屋HDは週間のジャスダック上昇率トップとなった。反面、ソフィアHDやエブレンが下落率上位に顔を出した。IPOでは、7月7日上場のBranding Engineerが公開価格の約6倍という初値を付けたほか、10日上場のSpeeeも公開価格を8割近く上回る堅調な初値だった。

今週の新興市場では、マザーズ指数が引き続きしっかりとした値動きとなりそうだ。コロナ禍でのニューノーマル(新常態)や低金利継続を背景としたハイテク株優位の地合いは崩れそうにない。マザーズ指数は先々週の急落後すかさず切り返し、個人投資家にとって致命的なダメージとはならなかったようだ。とはいえ、やはり値動きや株式需給による銘柄選別の動きは出てきている。

メルカリやBASEといったEC(電子商取引)関連株は強い値動きが続くか注視したい。なお、今週は7月13日にウエストHD、識学、14日にロコンド、UUUM、チームスピリット、Sansan、ロゼッタ、15日にティーケーピー、マネーフォワード、サーバーワークス、グッドパッチなどが決算発表を予定している。Sansanは前期業績の修正を発表済みで、今期見通しが注目される。グッドパッチは6月末の上場後、初の決算発表となる。

IPO関連では、7月15日にアイキューブドシステムズ、GMOフィナンシャルゲート、KIYOラーニングがマザーズへ新規上場する。いずれも時流に乗るビジネスを手掛け、公開規模も大きくない。投資資金の分散による影響は軽微とみられ、初値を飛ばしそうだ。また、先週はニューラルポケット(8月20日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

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