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モデルナの時間外の上昇は織り込む【クロージング】

15日の日経平均は反発。358.49円高の22945.50円(出来高概算12億4500万株)で取引を終えた。米国市場の上昇に加えて米モデルナの新型コロナウイルスワクチンの初期段階の安全性試験で、患者全員が抗体を獲得したと伝わったことが材料視された。シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなると、モデルナの時間外の上昇が支援材料となり、前場半ばには22948.39円まで上昇。その後は上海指数が下げに転じたこともあり、高値もち合いが続いていたが、後場半ば辺りから強含みの展開となり、一時22965.56円まで上げ幅を広げる場面もみられた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1800を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは東証33業種全てが上昇しており、鉱業、鉄鋼、機械、不動産、卸売、ゴム製品、サービス、輸送用機器など景気敏感セクターの強さが目立っている。指数インパクトの大きいところではファナック、ダイキン、中外薬、信越化、ファーストリテ、リクルートHD、東エレクが堅調。一方でエーザイ、アドバンテストが冴えない。

日経平均はギャップスタートからもち合いレンジを上放れてきており、節目の23000円を試す展開が意識され、6月戻り高値が射程に入ってきている。モデルナの新型コロナウイルスワクチン試験での抗体獲得が支援材料となったが、これを受けた今晩の米国市場の動向が注目されることになろう。グローベックスのNYダウ先物は300ドル高程度で推移しており、300ドルを上回る上昇となれば支援材料になりやすいだろう。一方で、ナスダックの戻りの鈍さを警戒視する声も聞かれてきている。昨日のテスラの戻りの鈍さも目立っており、テック株主導ではあるが、バリュー株への見直しの流れが継続するかを見極める必要がありそうだ。

また、NT倍率(日経平均÷TOPIX)が足元で低下傾向を見せてきている。25日線を上回っての上昇トレンドは変わらないが、いったんは25日線レベルまでの低下も次第に意識されてくる可能性もありそうだ。相場のけん引役であるハイテク株への利益確定が意識されてくるようだと、物色対象を見極めづらくなりそうである。

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