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21日の中国本土市場概況:上海総合0.2%高で3日続伸、医薬品セクター上げ目立つ

21日の中国本土市場は小幅に値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比6.75ポイント(0.20%)高の3320.89ポイントと3日続伸している(上海A株指数は0.20%高の3480.82ポイント)。(亜州リサーチ編集部)

前日までの好地合いを継ぐ流れ。中国当局による保険会社の資金運用規制緩和を受け、長期資金のマーケット流入期待感が強まっている。「当局は株高を容認している」との見方も広がった。新型コロナウイルスのワクチン開発を巡るポジティブニュースも追い風。バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が中国軍事科学院・軍事医学研究院生物工程研究所と共同開発したワクチン「Ad5-nCoV」について、中期臨床試験で安全性、免疫効果を確認したことが英ランセットに掲載した論文で明らかにされた。同ワクチンはすでに、軍関係者に限定し投与されている。後期臨床試験を経て、年末にも一般市場に投入される見通しだ。

ただ、上値は重い。ハイテクや人権問題などを巡る欧米との対立が警戒されている。米商務省は20日、ウイグル族弾圧に関与したとして、中国企業11社を輸出禁止対象のブラックリストに追加した。また、英国政府は先ごろ、自国の5Gネットワーク構築に、中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)を排除することを決定。さらにラーブ英外相は20日、香港との「犯罪人引き渡し条約」停止を発表した。上海総合指数は安く推移する場面もみられている。

業種別では、医薬品が急伸。人福医薬集団(600079/SH)が9.9%高、薬明康徳(603259/SH)が8.8%高、上海復星医薬集団(600196/SH)が7.1%高で引けた。人福医薬集団と薬明康徳は上場来高値をそれぞれ更新している。消費関連株もしっかり。老舗化粧品メーカーの上海家化聯合(600315/SH)が5.0%、白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が1.9%ずつ上昇した。このほか自動車株、ハイテク株、海運株、不動産株の一角なども買われている。

半面、金融株は安い。中信建投証券(601066/SH)が2.8%、中国平安保険(601318/SH)が2.5%、招商銀行(600036/SH)が1.2%ずつ下落した。エネルギー株、防衛関連株、素材株の一角も売られている。

一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が0.44ポイント(0.18%)高の239.52ポイント、深センB株指数が0.10ポイント(0.01%)安の929.53ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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