マネーボイス メニュー

城南進研 Research Memo(2):東京・神奈川を地盤とする総合教育ソリューション企業

■事業概要

城南進学研究社は1961年に大学受験、高校補修のための総合予備校として「城南予備校」を川崎市内に設立したところからスタートし、その後は個別指導塾や乳幼児教育等に領域を拡大、2013年以降はM&Aにより各種教育サービス、保育園事業を展開する企業をグループ化しながら、総合教育ソリューション企業として事業展開を進めてきた。

2015年3月期以降の部門別売上構成比の推移を見ると、予備校部門は2015年3月期の45.9%から2020年3月期は14.1%と大きく低下し、変わって映像授業部門が10.0%から20.4%、デジタル教材・児童教育部門が7.6%から24.2%に上昇し、ここ数年で売上構成比が大きく変遷してきたことがわかる。大学生の現役合格率上昇や競争激化を背景に、予備校市場の縮小傾向が続いたこと、また、乳幼児教育や英語教育分野の強化を目的に、ここ数年でM&Aを積極的に推進してきたことが要因となっている。なお、同社の創業からの基幹事業であった「城南予備校」については市場環境の変化による生徒数減少により、2020年3月末でサービスを終了している。

現在の主なサービス内容について見ると、同社において個別指導塾「城南コベッツ」を直営・FC展開しているほか、映像授業専門の「河合塾マナビス」のフランチャイジーとして展開している。また、2018年より「城南予備校」に替わる新業態としてプロの予備校講師とAI教材を組み合わせた個別指導塾「城南予備校DUO」(1人の講師に対して生徒は最大10名)の展開を開始している。幼児教育分野では、「くぼたのうけん」「ズー・フォニックス・アカデミー」「りんご塾」等を展開しているほか、「城南ルミナ保育園」を運営している。

そのほか、ICTを活用したWeb学習システムの「デキタス」「デキタス・コミュ(演習問題)」を小・中学校や学習塾向け等に販売している。学校の授業を確実に理解していくことを目指して開発されたデジタル教材で、アニメーションを活用した2~5分のコンパクトな映像授業と演習問題により、1日10分から気楽に楽しく学習できるように設計されたオンライン学習教材となっている。

また、連結子会社では(株)久ケ原スポーツクラブで乳幼児から社会人を対象としたスイミングスクール等を運営しているほか、(株)城南ナーサリー、(株)フェアリィーで保育園を、(株)リトルランドで乳幼児向け各種教室を運営している。また、英語教育分野では(株)リンゴ・エル・エル・シーでTOEFL®やIELTS対策専門校を、(株)アイベックで企業向けビジネス英語研修や英会話スクールを運営している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。