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全銘柄取引停止が個人主体の需給状況にどの程度影響を与えているかを見極め

 2日の日本株市場は、こう着感が強まりやすいだろうが、底堅さは意識されやすい。1日の米国市場はNYダウが35ドル高、ナスダックが159ポイント高だった。追加経済救済策の合意期待に加え週次新規失業保険申請件数が予想以上に減少し3月来の低水準となったことが材料視され買い先行で始まった。

 その後、9月ISM製造業景況指数が予想を下回ったほかムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長の交渉継続も合意の発表がなく失望感から一時下落に転じる局面もあったが、ハイテク株の上昇が下支えとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円高の23335円。円相場は1ドル105円50銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から小じっかりのスタートとなりそうだ。昨日の全銘柄取引停止の影響もあり、海外勢の2日分のオーダーが入ることになるため、コア銘柄の底堅さが意識されやすいだろう。ただし、米雇用統計の発表を控えているほか、追加の経済対策の合意を見極めたいとする模様眺めムード、さらに欧米での新型コロナウイルス感染症の再拡大が警戒視されやすく、積極的な上値追いの動きは期待しづらいところであろう。

 そのため、寄り付き後の底堅さを見極めたいところであり、足元のレンジとなった権利行使価格23125円から23375円の上限を捉えてくることが出来るかが注目される。NT倍率は直近で上昇をみせてきており、抵抗線レベルを捉えてきている。米国市場の流れを引き継ぐ格好からハイテク株が強含みの展開となるようだと、日経225型の買いが意識されやすい。先物市場ではクレディスイスの売りが目立っていたこともあり、ショートカバーに向かわせやすいだろう。

 そのほか、昨日の全銘柄取引停止による個人主体の需給状況にどの程度影響を与えているかを見極めたいところでもある。機会損失の影響次第では、中小型株への利益確定の流れが強まる可能性もあるため、注視する必要があるだろう。また、IPO銘柄への資金集中が目立っていたこともあり、IPO銘柄の動向も意識しておきたいところである。

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