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新興市場見通し:外部環境不透明でも反騰に向け準備着々、IPOも好調維持

今週の新興市場では、マザーズ指数が2週連続で大幅な下落となった。前の週からの株価急落で損失覚悟の売りが続いた。好業績株を中心に押し目買いが入ったり、直近IPO銘柄に短期の値幅取りを狙った物色が向かったりする場面も見られたが、週末になると11月3日に控える米大統領選を睨み買い持ち高を減らす動きが一段と広がった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.3%であったのに対して、マザーズ指数は-6.1%、日経ジャスダック平均は-2.0%だった。マザーズ指数は1200ptを割り込んで週末の取引を終えている。

個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリが週間で10.2%安。週末に第1四半期決算発表が控えていた。フリーが同2.1%安、ラクスが同4.0%安とその他時価総額上位も全般軟調。ただ、弁護士ドットコムは電子契約サービスの伸びが好感され、同0.9%安と底堅かった。また、売買代金上位ではジーエヌアイグループやBASEが売りに押され、リビン・テクノロジーズなどが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、業績上方修正を発表したJMDCは同10.1%。マクアケやJストリームも好業績を受けて大きく買われ、松屋アールアンドディが上昇率トップとなった。ジャスダック主力ではワークマンが同1.4%高、ハーモニック・ドライブ・システムズが同1.3%高となったものの、出前館は同7.1%安とまちまち。また、直近上場のアースインフィニティが売られ、No.1などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、好決算のセプテーニ・HDは急伸し、ディーエムソリューションズが上昇率トップとなった。IPOでは4社が新規上場し、カラダノートは公開価格の4.2倍となる初値を付けた。Rettyなど他の3社もしっかりした初値形成だった。

来週の新興市場では、引き続き11月3日の米大統領選、それに欧米での新型コロナウイルス感染状況など外部環境睨みの相場展開を強いられるだろう。米大統領選を巡っては早期に結果が判明するのかも含め不透明感が強く、積極的な買いが手控えられる要因となってしまっている。但し、銘柄ごとにまだ濃淡があるとはいえ、信用買い残の整理が進み値動きの落ち着いてきた銘柄も多い。好決算に対する株価反応も全般良好で、不透明感が後退したのちの反騰に向けた状況が整いつつある。

来週は、11月4日にミンカブ・ジ・インフォノイド、5日にJMDC、オリコン、モダリス、フルヤ金属、6日にスペースマーケット、オンコリスバイオファーマ、新日本製薬、東洋合成工業、ナカニシなどが決算発表を予定している。前述のとおりJMDCは業績上方修正を発表済み。また、今週末に発表されたメルカリの第1四半期決算は黒字転換となった。既に発表済みの弁護士コム、マクアケなどの決算を見ても、新興ハイテク企業の成長期待は根強く続きそうだ。

IPO関連では、11月19日マザーズ上場のアララまで2週間近く間が空くこととなる。そのアララは4日から、またMITHD(25日ジャスダック上場)は6日からそれぞれブックビルディング期間に入る。

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