いよいよ施行されたマイナンバー。早くも汚職が発覚したりと何かと話題に事欠きませんが、サラリーマンとしては「副業が会社にバレる可能性」も気になるところです。実際、どうなんでしょうか。無料メルマガ『もう、資格だけでは食べていけない』の著者で行政書士の横須賀輝尚さんに聞いてみました。
マイナンバーでサラリーマンの副業はバレる?
10月5日に、とうとうマイナンバー法が施行になりました。運用は来年1月からですが、早くもいろいろな動きが出てきています。例えば、マイナンバーがスタートした瞬間にマイナンバー詐欺を行う人がいました。すでにこの詐欺に引っかかってしまった…、なんて人もいるようで、これからもそういったことには気をつけなければなりません。
さて、マイナンバーが始まるということで、サラリーマンの副業がバレるなんていうことが言われています。実際のところ、バレるかどうかということでいえば、本当にケースバイケースですと言うしかありません。ただ、一応こういうことに気をつけておきましょう、ということを今回はお伝えしておこうと思います。
まず、副業などの収入が、年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。副業だから確定申告が要らないって思っている人も多いようですが、そんなに国は甘くないです。20万円以下であれば、問題ありません。
会社員の住民税は、給料から天引きされていますので、副業によって収入が増えてしまうと、住民税の多さから、会社にバレてしまう可能性があるわけです。これまでも、バレることはあったのですが、本業と副業の照合の手間などを考えると調査するほどのことでもなかったわけです。しかし、マイナンバーによってひも付けがされれば、調査は簡単になり、一発でバレてしまう、ということもありえるのです。
ただ、すべての副業が会社にとってNGかというと、そうでもありません。株、投資信託や外貨取引などの資産運用は別に副業にはなりません。ただ、オークションやアフィリエイトのように、主体的に事業をしていると思われるもの、継続的にビジネスをしている場合などは副業に当たるとみなされることが多いので、マイナンバー後も注意が必要です。
対策としては、副業の会社には、マイナンバーを提出しないという方法もあります(申告は義務と言われていますが、実際のところはペナルティを受けるのは企業)。そして、副業をする場合には、自分で納税をすることになる「普通徴収」することを選択することが必要になるでしょう。そして、もしこういった個人の手続きが面倒であれば、法人をつくってしまうこともひとつの考えであるといえます。法人は源泉徴収されませんので、勤め先とひも付けられる可能性はほとんどないといえるからです。
ところで、実際、本業の会社でも、様々な事情により、マイナンバーの提出を拒む社員も出てくるでしょう。特に昨今では個人情報にはかなり過敏になっている人もいるため、企業側の対策として考えなければならない事項でもあるといえます。
ただし、拒否した場合には、税務署から目をつけられる可能性は高くなると言われ、結果として、マイナンバーの記載ができていない企業には、税務署の税務調査が入りやすくなるのでは、と予測されています。問題を起こさず、副業も続けるのであれば、穏便にバレないようにしたいものです。
最後に、極論になりますが、枕を高くして寝たいと考えるなら、副業するなら副業に当たらないことをする。あるいは、半端にやるのではなく、独立する。逆に波風立てたくないなら、これを機に危なそうな副業はやめてしまう。そういう判断も大事かもしれませんね。
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