深まるテロ首謀者の謎…新聞各紙による「事件分析」を徹底比較

 

肥大化する容疑者像~残忍性

【毎日】も1面トップでサンドニの銃撃戦、2面は1面から続いて、「テロ活動の温床」との見出しで、ベルギーの首都ブリュッセルのモレンベーク地区について。3面の解説記事「クローズアップ2015」ではアバウド容疑者のプロフィールと、自由な往来が可能な中でアバウド容疑者が警察の手もすり抜けて行動していたさま、8面は欧米各国がテロ厳戒態勢に入っている状況についての記事、社会面29面は、サンドニ銃撃戦の周囲の状況など。

1面記事はアバウド容疑者を「『イスラム国』のメンバー」と呼称。サンドニの捜索は、ドゴール空港などを標的とした新たなテロ実行の直前だったと報じられているという。

3面記事には、ISのウェブ版英字機関誌「ダビク」に掲載されたアバウド容疑者の写真が付いている。アバウド容疑者は、シリア穏健反体制派兵士の遺体を引きずり回す映像が公開され、残忍さで知られているという。また13歳の弟をシリアに連れ去り、「最年少の戦闘員」にしたと批判されたことも。

uttiiの眼

アバウド容疑者の残忍性を強調したプロフィールが書かれている。やはり、疑問に思わざるを得ないのは、それほどの「有名人」がEUの中を動き回っていたのに、なぜ逮捕されずに新たな事件を起こし続けることができたのか、ということだ。別のところで書いたようないくつかの理由が考えられるが、正直、どれも説得力十分というわけではない

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