「口癖」と聞くとあまりいいイメージを持ちませんが、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんは、口癖をネガティブに捉えず上手く利用して言い続けることで、自分や周囲に変化がおとずれると言います。その驚きの方法をわかりやすく解説していただきました。
意味の口癖
大抵、「口癖(くちぐせ)」は馬鹿にされます。
「あいつすぐ、こう言うよね」と、陰でこっそり笑われたり、モノマネされたりします。
その馬鹿にされていることを恥ずかしがって、何とかその口癖を出さないように直そう、と多くの人が思ってしまいます。
しかし、口癖には2タイプの種類があります。
1つ目のタイプは、「表現の口癖」です。
表現の口癖とは、例えば語尾が特徴的だとか、「雰囲気」を「ふいんき」と読む言い間違いだとか、生まれ故郷の独特のイントネーションだとか、要するに話し方、喋り方の癖ですね。
これは、一度モノマネをされると、どんなシチュエーションでも真似ができます。
ものまね芸人がやっているモノマネは大抵これで、その人のしゃべり方、振る舞い方の特徴をつかんでいるので、よく似ていると感じます。
そして口癖の2つ目のタイプは、「意味の口癖」です。
これは、表現やシチュエーションはどうであれ、同じ意味のことばかりを繰り返す口癖です。
ポジティブ思考とかネガティブ思考などという時はまさにこれで、いつもポジティブなことばかり言う、いつもネガティブな発言ばかり、などということに似ています。
例えば、アニマル浜口が「気合いだー」とよく言いますが、あれも気合いを入れようという意味があるので、まさに「意味の口癖」です。
現在放送中の大河ドラマ『花燃ゆ』で、主人公の美和(井上真央)が「世話ぁない」と言ったり毛利敬親(北大路欣也)が「そうせい」と言ったりしていますが、あれらも「大丈夫」「そうしなさい」という意味があるので、どちらも「意味の口癖」です。
そういう「意味の口癖」である口癖を持つ人は、陰でなんと言われようと、恥ずかしがることはありません。
その意味を伝えるために言っていることなのだから、それを恥ずかしがって直そうとするというのは、自分の信念を恥じ、自分の信念を曲げるということです。
それよりも、自分が本当にそう思っての口癖ならば、全く気にする必要はないのです。
むしろ、その「意味の口癖」が浸透していくことで、その意味と自分のキャラクターが融合し、自分の新たな居場所が拓けてくるようになります。
例えば、先ほど出てきたアニマル浜口の「気合いだー」という口癖は、思いっきり浸透しているので、「気合いで乗り切ろう!」というようなイベントの際にアニマル浜口はすぐにゲストとして呼ばれます。
そのイベントの趣旨を連想するゲストの場合は、こういうその人の「意味の口癖」にかかることが多いです。
ということは、その人は「意味の口癖」によって新たなギャラを稼いでいるということです。
東国原英夫元知事の「どげんかせんといかん」とか、林修先生の「今でしょ!」などの流行語も同じで、「意味の口癖」だから、流行り廃りに関係なく、その意味の番組やゲストに必要とされる存在になります。
自分の口癖がそういう「意味の口癖」の場合は、自分の思いや考えがそこに意味として乗っているので、その口癖を恥ずかしがることはありません。
どんどん言い続け、社内や業界に浸透するほど発信し続ける。
その意味が、必要とされる時がやがてやってきます。
また、そういう「意味の口癖」を持っていない人も、「だったら、こういう口癖を言い続けてやる!」という「意味の口癖」を意識的に作ってみるのもいいかもしれません。
言い続ければ、その思いが必ず形になります。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
- 自分の信念や想いを反映した「口癖」を5とおりほど考えてみて、ノートに書いてみる。
- 周囲の社員たちにも真似されやすいような口癖にする。
image by: Shutterstock
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