国際空港で、自分のかばんに見覚えのない銃弾がいつの間にか入れられ、それが見つかって脅される……。そんな怖い事件が今フィリピンで起こっています。海外在住の日本人がリレー形式で興味深い話題をお届けするメルマガ『出たっきり邦人【アジア編】』では、フィリピン在住のトムGさんがマニラで起こった事件を詳しく紹介しています。
世界最悪空港 マニラ
国際空港で、X線検査を通るときに銃弾が自分のかばんに入っているのが写ったらどうします!?
やばいよね…なんてもんじゃないよね。
2011年から3年連続世界ワースト1位に君臨していた悪名高きマニラ国際空港。空港改修もあって、最近ではワースト10位内にも入らなくなっていたんだが、ココに来て最低不名誉ニュースが上がった。
手口としては、乗客が目をはなした隙に銃弾を手荷物などに入れ、X線検査中に「銃弾発見」。違法だから罰金もしくは賄賂を払え、そうでなければ逮捕、勾留だと脅すのである。
1人や2人じゃないんだよ、被害者は。ニュースに載っただけでもこんな感じ。
1. フィリピン系アメリカ人女性
女性は車椅子で、ポーターに200ペソ、検査場職員に500ペソ払う
2.アメリカ人宣教師
3万ペソの口止め料を要求されるが断固拒否。その後逮捕、6日間勾留、保釈金支払い
3.日本行き予定のフィリピン人女性
逮捕
このへんでマニラ空港内に監視カメラ設置を進めていく方針という発表。
4.日本人男性 フィリピン人海外就労女性
逮捕、書類送検 保釈金20万円命じられるが4万ペソ払い釈放
5.フィリピン人女性
逮捕
6.フィリピン人2名
逮捕
このへんでさすがに大統領府より声明。「マニラ空港のX線検査で銃弾所持を理由に口止め料を要求される恐喝事件が相次いでいるが、マニラ空港の利用を恐れる必要はありません」ってアホか。
8.フィリピン人女性
逮捕
ここまで2年とかの間に起きてることじゃないんだよ。今年の9月18日~11月1日の間に起きてることなんだ。それも公になっているものだけでね。
で、ここにきて空港警察の発表。「X線担当職員が利用客のかばんに銃弾を入れた可能性はまったくない」。きっぱりと犯罪を否定。
アホか。
その後も逮捕者は続き、さすがにやばいと思った司法省が特別捜査班設置。そんな扱いに逆ギレしたX線検査担当の運輸通信省交通保安局職員2000人がミサに参加。「無言の抗議」を行う。
でた、感情論!!!!
実際に起きていることが本当なのかどうなのか、そんなこと起きないようにきちんと処罰、恐喝壊滅させるのがポイントなんであって、「信じてくれない!!」ということに感情的になってどうすんだと。このへんはものすごいフィリピン人だ。
最近になってとうとうイギリスのBBCが報道しはじめるまでにもなったんだが、そもそもなんでこんな世界的に有名になったのか。実は被害にあった利用客がアメリカに帰国後インターネットに事件の詳細をアップ。たちまち拡散されたからだ。
もう大騒ぎなんですよ、世界レベルの恥なんですよ!
なんでマニラ空港公団の総裁は辞任しないんでしょうかね。なんで未だに事件は続いているんでしょうかね。
誰かにお金が流れているとしか考えられないと思われてもしかたがないんじゃないかそんなこんなでまだ事件は続いており、解決のかの字も見えません。
自分の身は自分で守るしかない。マニラ空港では、手荷物をぐるぐるラップ巻きサービスが大繁盛しております。
困るんだよね。マニラでこういうことあるとフィリピンのイメージダウン。セブは観光地なんで、こんなことが起きるとセブ人が怒ります。これでは観光客が来なくなってしまう。
それにしてもひでえ話だ。
あ~やだやだ。(フィリピン/トムG)
image by: Shutterstock
『出たっきり邦人【アジア編】』
アジア6カ国(香港・韓国・フィリピン・マレーシア・トルコ・イラン・ヨルダン)の在留邦人が発信するリレーエッセイ。現地からのとれとれピチピチ、旬の情報もりだくさん!欧州編、北米・オセアニア編&中南米・アフリカ編、出戻り編もヨロシク!
<<登録はこちら>>