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「アミノ酸で痩せる」はウソ?理系ならみんな知ってるアミノ酸の常識

健康に、ダイエットにと呪文のように繰り返される「アミノ酸」という言葉。確かに身体に良さそう…、などと思っていたら、『アリエナイ科学メルマ』の著者で自称不良科学者のクラレさんが衝撃の暴露。アミノ酸を取っても痩せることはないそうです。その論拠は?

暮らしと科学:アミノ酸

「トリーバスフメイヒー」「風呂場イス独り占め」などというのは、生物系に進んだ理系なら誰もが一度は見たことのある必須アミノ酸(食事から摂取しないと不足していくアミノ酸)。そういう理系諸氏にはサプリメントのCMをはじめ、週刊誌などで、アミノ酸の話には違和感しか覚えないわけですが、多くの人にはそうではなく、なんだかすごい特殊な成分というくらいの極めて乱暴な認識しかされていないのが現実です。

アミノ酸というのは、我々の体を構築しているタンパク質の素材で、アミノ酸はいわば、レゴのブロックのようなもので、そのブロックが数十個以下しかつながっていないものをペプチド、それ以上の数(多いモノで3万個くらい)のものをタンパク質と呼んでいます。

体が普段垢やクソとして排出しているものも多くもアミノ酸を含んでいます。

つまりは老廃物もアミノ酸。故に、その個体を維持したり成長したりするにはアミノ酸を食物から摂取しなくてはいかんわけです。まぁ、排出物はその生き物にとっていらないものなだけなので、生物変わってフンコロガシなんかの生き物は、糞を栄養源に使うことができるわけです。

つまりアミノ酸という言葉は、例えば庭作りで例えると「土」という漠然とした言葉で、それが砂系なのか、砂利なのか、それとも腐葉土なのか、そういったものを含むということです。

なので「アミノ酸が良い」とか「アミノ酸のおかげで●●」みたいな謳い文句は「土のおかげで花が育つ」くらいの意味合いで、なんの意味もないわけです。

次に、必須アミノ酸と非必須アミノ酸、そしてアミノ酸をとるにはサプリメントが必須なのかどうかなんかに触れてみようかとおもいます。

アミノ酸で痩せる!

という謎のCMがテレビで流れています。黒酢にはアミノ酸が含まれているから痩せる(と名言してはいけないので、あくまでそんなイメージ)、いやいやスッポンのほうがアミノ酸入ってるから痩せる!(という以下略)というクソみたいなCMがやっていますが何か根拠があるのでしょうか?

結論から言うとアミノ酸を取って減量するということはあり得ません。アミノ酸もカロリーは低いものの、体の栄養源であり、そもそもアミノ酸不足になると、体を構成する部品であるが故に、不足があると肌のターンオーバーはもちろん、内臓などの負担増加といったこともあります。

ではアミノ酸とりたければ、ゼラチン粉(ネットショップで「ゼラチン 1kg」なんかで検索すれば安く手に入る)を飲み物にせよ、味噌汁にせよ適当に入れて飲んでおけば十分なわけで、わざわざアミノ酸の乏しい黒酢でアミノ酸を取るとか意味不明です。そしてスッポンはタンパク質ですからアミノ酸が豊富なのは当たり前で、肉と野菜を比べて食物繊維は野菜が多いと言ってる程度のめちゃくちゃな理屈になります。

一部の非必須アミノ酸の中には、体内での脂肪の利用に役立っているのではないかという話もありますが、そんなものを気にするくらいであれば、油物を取らないように気をつける方が圧倒的に安あがりで確実です。

以上、まとめると。

「アミノ酸が!」 という売り文句のサプリメントは

み~~~~んな ゴミィイイイイイイイイイイイイイイ!

image by: Shutterstock

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