経営者には、意外にも「ヤンチャ」な人が向いている

 

専門家タイプの人は不得意な経営にタッチしない方がよく、その場合は本田さんのようにマネジメントに精通した真摯な人協働することが求められます。原則として、自分が専門家タイプであると感じたら社長となることには不都合ないのですが、専門分野に専念し有能なマネジャーを見つけることです。どちらにしても専門家とマネジャーは、協働してこそ総合力を発揮します。

企業の創業を目指す人は、最初に「自分の得意な才能」を知らなければならず、そこから必要とされるチーム・メンバーを考え編成しなければなりません。

最後のタイプ、「特殊才能タイプ」についても身の処し方を考えてみます。このタイプの人が「世に立つ」には、有能なマネジャーの存在はかかせません。少しうがった例ですが、「ヘレン・ケラー」は「アン・サリヴァン」の献身により教育家、社会福祉活動家として社会にできることできました。小林幸子が紅白歌合戦に出られなくなったのも、この例なのかもしれません。

才能はいずれが上でいずれが下ということはなく、それぞれの成果のために発揮できる能力分野が異なるだけですべてが必要です。組織は成果を達成するためのものであり、経営者は主に「マネジメントのエッセンス」を「分かって」経営(マネジメント)することが必要です。ホンダは、技術者社長のエッセンスを重視しています。

経営者には意外に「ヤンチャ」な人が向いているようです。大手中堅で「業績の良い」企業のトップには、元体育会系の主将経験者等がそれなりに見受けられるようです。創業者が経営者として大成するには、多くの失敗や辛酸を舐めなければならずそこで「分かった」ことがホンモノの経営力として身につけられて行きます。

大成するすべてのタイプの人について共通するのは、その道で最初から一流になることを目指すこととやり抜くことです。「運は準備が整った人に開かれる」と言われています。「準備」とは、自身の好きなこと得意なことに関して一流を目指して地味に忍耐づよく育成を続けることが唯一の方策であるといえそうです。

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 『戦略経営の「よもやま話」

著者/浅井良一
戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。
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