読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「転職し、新しい仕事に取り組む際に意識してすべきこと」について。永江さんは、新しい会社、職場にある成功事例と、そこで一番成功している人のノウハウを学ぶのが近道と答え、アプローチの仕方まで具体的にアドバイスしています。
新しい仕事に取り組む際の心構えは?
Q.
仕事で今まで経験のない新しいことに取り組む場合、意識して実施していることはありますでしょうか。
新卒でSIerに就職し販売・購買管理分野の基幹システム導入に8年間携わった後、総合コンサルティング会社へ転職し、前職の経験を生かし基幹システム導入支援や業務改善支援に5年間程取り組んできました。
この度、デジタル分野でより深く仕事をしたい、かつ未経験領域へ経験を広げ、少しでも人材希少性を高めたいと思い、企業向けCRM・マーケティング分野のITソフトウェア会社へコンサルタント職として転職することにしました。
IT企業ではありますが、プログラミングは担当せず、導入前の構想策定や導入後の定着化などを担当する予定です。SIer会社での経験はある為、ITということでいうと全くの門外漢ではありませんが、CRM・マーケティング分野は未経験で、当然ながら不安があります。
最低限その分野の本を読み漁るくらいはしようと思いますが、永江様が新しいことに取り組む場合にやっていること、意識することなどあれば教えていただけますでしょうか。
永江さんからの回答
わたしなら本を読み漁るのは当然として、まずその会社にある成功事例を学び、その会社で一番優秀な人に付いて回って学ばせてもらいます。頭を下げて門下生にしてもらいますよ。
業務知識や技術に関する本を読んで知るのは当然ですが、CRMなどソフトウェアの製造・導入をしてきた会社であればこれまで自社製品を導入してきた事例や、上手く活用されているお客さんがいるはずなので、そうした社内の知見を見聞きして学んだ方が本よりもはるかに実践的な知識が身に付きます。
さらに何より効果があるのは、会社の中で最も仕事がデキる人に付いてその人の技術や考え方を覚えることです。一緒にお客さん先にも行って、仕事を間近で見て質問しまくって、良い仕事のやり方を体で覚えます。
本は一般的な内容ですし、必ずしもデキる人が書いているわけではありませんが、実際に社内で成果を上げている人のやり方なら結果に繋がることが証明されているので、徹底して学んで真似すれば必ず成果が出るはずです。
教える側も「○○さんがこの会社で一番仕事デキるって聞いたので、近くで勉強させて頂きたいんです」と言われたら嬉しいので、時間を割いて教えてくれると思いますよ。
質問者さんも前職含めご経験が豊富なのだと思いますが、初めから出来る振りはせずに、社内で優秀な人を見つけて頭を下げて教えを請い、その会社で最も優れたやり方を早期に吸収するのが一番の近道です。
余談ながら、私も昔はよく一回りくらい年下のホリエモンにプログラミングのことを質問しまくって教えてもらいました。もちろん最低限のことはググった上で、できる人に聞いて覚えるのが一番手っ取り早いと思います。
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