中国の脅威にさらされる日本が、インドと手を組むべき最大の理由

 

日本の大戦略とインド

 世界情勢を動かす大国」は、多くありません。現時点では、アメリカ中国EUロシアぐらいでしょう。この中で、アメリカ、EU、ロシアは「成熟期の国」です(EUは、国とはいえませんが…)。唯一中国は「成長期後期」なので、一番パワーがあるようにみえる。

しかし、「これから大国になっていくことが確実な国」もある。それがインドです。ライフサイクルで見ると、インドが成長期に入ったのは1991年。中国から約13年遅れています。

インドのGDPは2013年、約2兆ドルで世界10位につけている。しかし、1人当たりGDPは、たったの1,500ドル(約18万円)。なんと、世界で144位という低さなのです。インドは、どう考えても「成長期前期」にいます。

 インドの1人当たりGDPが、現在の中国レベルまで上がったとしましょう。その時、同国のGDPは約9兆ドルとなり、軽く日本を越えてしまいます。そして、そんな日が来るのは、ほぼ間違いありません。

私は何がいいたいのか?

世界の大国群は、皆成熟期か、成長期後期。そんな中、唯一インドだけは成長期前期にいて、これからますます成長し、影響力が増していく国である。

これは、日本にとって何を意味するのか?

そう、日本はアメリカとの同盟を保ちながら、一方でインドとの関係をますます強固にしていかなければならない。

今後の日本の進むべき道をまとめてみると

1.アメリカとの同盟を強固に保つ
2.しかし、アメリカは衰退していく方向性である
3.だから日本は、「軍事の自立」を目指していく
4.一方で、今後「大国」になることが確実なインドとの関係をますます強固にしていく

となります。インドとの関係は、これからの日本にとって「最重要」といえるものなのです。

しかし、「他の大国」も「インドは最重要」と認識しています。実際、アメリカ中国ロシアが、「インドの愛」を取り合っているような状況になっている。ですから日本も、「インドは親日だから」と油断できません。一貫性のある、誠実なアプローチをつづけていく必要があります。そういう意味で、安倍総理の努力に、心から感謝したいと思います。

image by: 首相官邸

 

ロシア政治経済ジャーナル

著者/北野幸伯
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