世界史に残る2015年。米中冷戦の幕開けに、日本はどう生き残る?

 

12年11月になると、さらに苦しみが増していきます。それは、中国の「反日統一共同戦線戦略を知ったからです。その骨子は、

1.中国、ロシア、韓国で「反日統一共同戦線」をつくろう!

2.中ロ韓は、一体化して、日本の領土要求を断念させよう! 日本に「沖縄」の「領有権」はない!!!

3.「アメリカ」を「反日統一共同戦線」に引き入れよう

詳細はこちら。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

私はこれを読んだ時、「嗚呼、中国は戦争をはじめた」と思いました。毎回書いていますが、実際の「戦闘」だけが戦争ではありません。まず「情報戦」からはじまるのです。

「情報戦」の目的は、

1.敵国を悪魔化する

2.敵国を世界的に孤立させる

3.実際の戦闘が起こったとき、誰も敵国を助けない状況をつくりだす

です。

中国は、まさにその如く動いている。そして2013年、安倍総理は、進んで「中国の罠」にはまっていくように見えました。

非常に危機的な状況でしたが、2014年にロシアがクリミアを併合すると、「日本を世界的に孤立させる」という中国の戦略は挫折します(ロシアに制裁するため、アメリカは日本と和解した)。 

久しぶりに見えてきた「希望」

というわけで、私は08年以降、特に12年11月から、日本のことを思うとナーバスになることが多かったのです。メルマガ読者さんからも、「最近のメルマガはまじめすぎます!」「昔のように(^∇^)を多用したり、ギャグをいれてくさだい!」などといわれました。

しかし、2015年末、私は久しぶりに、日本の未来に希望を見出しています。なぜでしょうか?

1.アメリカが、「最大の敵は中国である」ことを認識しはじめた

中国が主導する「反日統一共同戦線」。その重要な柱は、「アメリカを反日統一共同戦線に引き入れる」です。つまり、「日米を分断する」こと。そして、日本の陰謀論者が恐れているように、「米中一体化して日本を叩きつぶす」こと。

【参考】まるで孔明の罠。習近平が「反日戦略」を方向転換してきたワケ

しかし、この戦略は2015年、かなり挫折しました。アメリカは、日本ではなく、中国が「最大の敵」と認識しはじめた。

【参考】南シナ海作戦はほんの序章。アメリカは2つの「戦争」を中国にしかける

そのこと、この本を読めば、はっきりくっきりわかります。

「China2049」

【参考】アメリカが「中国打倒」を決意。南シナ海の自由航海で見えたもの

まだの方は、年末年始に是非ご一読ください。

なぜ、アメリカは、「最大の敵は中国」と認識したのか? そう、3月の「AIIB事件」です(「China2049」は、アメリカで2月に発売になっています。つまり、CIA、国防総省の高官は、AIIB事件前から「中国こそ最大の脅威」と認識していた。しかし、オバマ政権が気づいたきっかけは、AIIB事件でした)。

2.日米関係が劇的に改善された

日米関係は、(日本の)民主党政権時代ボロボロになりました。親米自民党・安倍内閣になっても、中国の反日プロパガンダがアメリカに浸透し、「冷たい関係」がつづいていた。

14年、アメリカは、クリミアを併合したロシアに対抗するため、安倍総理と和解。しかし、それほど愛に満ちた関係とはいえませんでした。

15年、日米関係は劇的に改善されます。「AIIB事件」で、親米諸国に裏切られたアメリカ。唯一、アメリカを裏切らなかったのが日本だった。

そして、4月29日、安倍総理の「希望の同盟」演説。オバマさんは歓喜し、「歴史的訪問に感謝する。日米関係がこれほど強固だったことはない!」とツイートしました。2013年末年始とは、全然違いますね。

その後も安倍総理は、アメリカへの接近をつづけます。

・安倍談話

・安保関連法成立

・TPP(私はTPPに反対ですが)

毎回書いていますが、「日米同盟が強固であれば、中国尖閣沖縄奪えません。 

print
いま読まれてます

  • 世界史に残る2015年。米中冷戦の幕開けに、日本はどう生き残る?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け