世界に1つだけの花よりも、それを育てた「花屋」が一番偉いのか?

※写真はイメージです
 

とはいえ、それは日本のショービズだけにみられる傾向でもない。むしろ、契約の厳しい海外のアーティストの方が 、よりシビアな環境に置かれているとも言える。ただ、海外の場合、行動は厳しく制限されるものの、表現者としての発言は比較的自由で、ここが日本のタレントとの大きなの違いだ。

ここまで書けば言いたいことはわかるだろう。この問題を窮屈にしているのは芸能プロダクションではなく、彼らの圧力に自ら屈している、テレビを中心とするメディアにあるのだ。本来、自由な言論空間を作るという役割を担っているテレビが、機能していないのが問題なのだ。

単に週刊誌が報じた「解散報道」を後追いするだけで、掘り下げもしなければ、追加取材の成果を発信することもできない。テレビが自主規制で、彼らの発信の機会を、その空気によって妨げている

もっと 簡単に言おう。SMAPのメンバーが発信できないのであれば、彼らを出演させているテレビ局の記者でもディレクターでも、それぞれ自社のスタジオに出向いて、取材しインタビューすればいいだけの話なのだ。

ニューヨークタイムズは、私が在籍している3年間で、3度にわたってジャニーズ事務所など日本の芸能プロダクションについての記事を掲載している。

その際、取材に応じてくれた日本のメディアはわずかに3つ、週刊文春と東京スポーツと噂の真相だけである。普段ならば、ニューヨークタイムズに日本関連の記事が掲載されるや、われ先に紹介する新聞や通信社は沈黙し続け、あろうことか、テレビ局に至っては私たちの取材の妨害をする有様だった。

image by: Shutterstock

 

上杉隆の「ニッポンの問題点」』より一部抜粋
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