しかし、ここで見落としがちなのが、マイナス要素。
私は大学時代器械体操を行っていましたが、体操競技では、難易度の高い技を成功させれば当然高得点が期待できます。しかし、それと同時に重要なのが小さなミスをなくすこと。高度な技を決めても、「膝が曲がっている」といった、細かいミスでボロボロ減点されては高得点は望めません。
ビジネスもそれと同様に、商品・サービスが素晴らしくても、細かいことで減点されることがあります。その代表がマナーです。人は、気に食わない人から商品・サービスを買おうとは思わないものです。いくら商品の質を高め、価格を下げ、営業トークの技術を高め、マーケティング手法を駆使しても、横柄であったり、身なりが良くなかったりすると、マイナスポイントが積み重なります。
ある調査結果では、電話対応で悪い印象を持つと、「その企業は二度と利用しない」とか「他によい企業が見つかれば乗り換える」と答えた方は、なんと94.5%だったそうです。ほとんどの人が、ビジネスマナーの悪さを理由に、その企業と取引をしない決断をする、と答えているのです。
お客様がせっかく取引をしてくれる気になったとしても、ビジネスマナーができていないという、たったそれだけの理由で取引を逃してしまうのは、もったいないとしか言いようがありません。
しかも、ビジネスマナーは製品スペックや価格などのように数値化はされにくいため、その原因がなかなかわかりません。
ビジネスマナーは、余計なマイナスを避け「商品が良ければ買ってくれる状態」にもっていくためのものなのです。
会社にとって、会社のビジネスマナーは「無形資産」のようなものといえます。管理職にある方は、自身を含む社員のビジネスマナーが、会社業績を大きく損なう「負の資産」となっていないか、もう一度見直してみるとよいでしょう。
「マナーは、行動を引き立たせる装身具のようなものだ。」S.スマイルズ『自助論』
さて、社員のビジネスマナーを高めたい会社・学校等にうってつけのDVDがあります。3月までの予算が余っている会社や学校等から注文が入っているそうです。
次のURLから購入することができます。
http://myhoumu.jp/mannerkouza/
今回は、ここまでです。
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