良い組織を生み出す鉄則は「真面目な人に損をさせない」という事実

Syda Productions/Shutterstock
 

手のかかる子どもを中心に関わっていけば、6割もそっちに引っ張られる。よくやってくれるはずの2割の子どもは、不真面目な8割相手に馬鹿馬鹿しくなって、やがて真面目にやらなくなる。

様々な学級経営の方針があろうかと思う。私の学級経営の一貫した方針は「真面目な人に損をさせない」である。トラブルを起こす子どもになるべく「負の報酬」を与えない。たとえ厳しい叱責であっても、注目行為は子どもにとって報酬である(暴走族はその最もわかりやすい典型的行為である。注目されること命である)。

叱責の前に、きちんとやっている子どもを認め、感謝の念を伝える方を優先する。

繰り返す。真面目な人に損をさせない。不真面目な人は、「とりあえず」相手にしない。あくまで、とりあえず。相手にする優先順位は後回しである。なぜなら、きちんと並んで待っている真面目な人に先に対応すべきだからである。

お店を考えればわかる。例えば入場待ちで並んでいる列があるとする。入場するため、規則を守り、整然と並んで順番が来るのを待っている。そこに割り込みして先に見てもらおうとする人が入ってきた。そこを相手にして先に入れたら、真面目に並んでいた人が怒る。その怒りの矛先は、割り込んだ人というより、そこを認めて対応した店側にいく。当たり前である。

これは、社会全般に共通する、健全な集団づくりの鉄則であると思う。真面目な人に損をさせない。ここを外さなければ、大きく崩れることはないかと思われる「肝」の部分である。

「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術
著者/松尾英明
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