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辛坊治郎氏が大胆提案。日本の人口減を食い止める画期的な手立て

日本の出生率の低下はここ長らく社会問題として議論されていますが、2015年ついに日本の死亡者数が出生者数を逆転してしまったことはご存知でしょうか? この日本の人口減少について、『辛坊治郎メールマガジン』で辛坊さんは「国家の存立にかかわる」と重く受け止め、この問題の知られざる原因と解決策を提示しています。果たして、辛坊さんが提案する画期的な解決策とは?

日本の人口減少は過去最大の年間30万に

昨年の日本の出生数は厚生労働省の推定で約100万人です。これに対して、死亡者数は約130万人なんです。その差30万人は、どうやら過去最大らしいですが、当分この数字は加速度的に増えながら推移しそうです。つまり二年に一つ鳥取県が消滅するってことです。

日本の年金制度一つとっても積立制度でなく、勤労者層が高齢者層を支える方式であることを考えると、現役世代の減少は国家の存立にかかわります。何とかしなくちゃ、という訳で、表のメディアでは、若年層の待遇改善、女性が子育てしやすい環境の整備、さらには外国人労働者の受け入れなんかが提案されるんですが、即効性はないですよね。なんとかならんのか?

さあ、それじゃあ、年間30万人の人口減少を食い止める画期的な手立てはあるのか?あるんですねこれが。

実は確かに日本で生まれる赤ちゃんは現在年間100万人ほどですが、日本で生まれる命は130万くらいなんです。その差の30万人(去年は特異的に少なくて20万弱ですが)は、人工妊娠中絶で生まれる前に命を絶たれるんですね。別に私はキリスト教の保守派じゃないですから、女性の権利としての妊娠中絶に反対なんて野暮なことは言いません

でもね、妊娠中絶する母親って概ねすごく若くて、ぴっちぴちの肉体から健康に生まれてくる筈の元気な命を闇から闇に葬るって、可哀想っていうか、もったいなくないですか。この30万人が生まれてくれば、死亡者130万人とちょうどバランスが取れて、日本の人口減少は止まります。

それどころか、亡くなるのはほとんど高齢者ですから、その高齢者と入れ替わりに若い命が日本に生まれれば年金問題を始め将来の人口バランスのゆがみに起因するすべての問題が解決できます。

どうです、良いアイデアでしょ。

人口中絶を減らすための解決策とは?

それじゃあ何故30万人の命が中絶の憂き目を見るのか?多分(1)が経済問題、(2)が世間の目に代表される社会的問題、でしょう。

まず(1)の解決のためには、子供を作った母親に徹底的に「ご褒美」として経済援助をするべきです。

育った子供は将来、社会的負担を通じて全国民に恩恵をもたらすわけですから、「子供のいる母親だけに援助するのは、子供を作れない女性に対する差別だ」なんてケツの穴の小さい事は言いっこなしです。だって、子供のいない女性の老後を支えるのは、他人の誰かが育てた子供なんですから、子供を育てるという行為を強力に社会がバックアップするのは全国民のためなんです。

ただ、母親に現金支給で援助すると育児放棄の末にパチンコにのめり込む人も出てくるでしょうから、大学まで返金不要の奨学金を用意するなど、子供の将来のために直接支給するのが正しい援助のやり方です。

フランスなどで既に行われていますが、子供を育てた女性には、その育てた数に応じて将来の年金額を上乗せ支給する施策も効果的です。「子供のできない女性が可哀想」という批判をかわすために、実子じゃなくても、養子を育てたカップルの年金額を増やすこともアリですよね。

何度も書きますが、子育てには金がかかりますし、そうして育てた子供が、全国民の社会福祉の費用を稼ぎ出すわけですから、子育てに社会的な見返りを提供するのは当然過ぎます。養子制度が広がれば、例えば女子高生が身籠って社会的に産めない、なんてケースの赤ちゃんの救済にもつながります。前述の(2)「社会的問題による中絶」の防止にも直結する訳です。

さらに、同じくフランスで行われていますが、養子でも実子でも、子育て中の世帯の税金を劇的に下げる方策が有効です。

これについては次回引き続き。

image by: Shutterstock

 

辛坊治郎メールマガジン』第258号(2月19日発行)より一部抜粋

著者/辛坊治郎
「FACT FACT FACT」をキーワードに、テレビや新聞では様々な事情によりお伝えしきれなかった「真実」を皆様にお伝えします。その「真実」を元に、辛坊治郎独自の切り口で様々な物の見方を提示していきたいと考えています。
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