ここからは少しトレーニングのやり方についてです。
筋肉を動かす時は二種類の動作が起こります。
一つは短縮性動作といって、筋肉が縮む動きです。
そして、もう一つは伸張性動作といって、筋肉が伸びる動きとなります。
例えば腕立て伏せをする場合、胸を床に向かって降ろしていく時には大胸筋はどんどんと伸ばされていますから伸張性動作です。
そして、床に近づいた状態から、今度は上に体を持ち上げて行く時、これは胸の筋肉が縮まっていきますから短縮性動作となります。
バーベルを使ったアームカールなどでも、バーベルを降ろす時は筋肉が伸ばされていきますから伸張性動作、カールして行く時は筋肉が収縮していきますから短縮性動作となります。
どちらの動作も大切なのですが、実は筋肉への強い刺激は伸張性動作、つまり筋肉が伸ばされていく時の方が大きいのです。
しかも伸張性の時は短縮性の時よりも大きな力が発揮できます。
ベンチプレス100kgがギリギリの人でも120kgくらいまではバーを降ろす動作には耐えられるというわけです。
この筋肉の特徴を少し利用した方法で腕立て伏せをやったりすると、比較的簡単にトレーニング強度をあげることができます。
まず腕立て伏せの姿勢を作ります。
腕立て伏せにはプロレス流とかいろんなフォームがありますが、まずは最もベーシックに両手は肩幅やや広めくらいにして、頭から踵までが一直線になるようにします。
実はこのフォームをキープするだけでも結構なしんどさがあります。
本来はここから床ギリギリまで体を落として、そこから再度持ち上げるという動作を繰り返します。
質問者の場合はなかなかそこまでの筋力が無いという感じですので、60秒かけてゆっくりと床まで体を降ろしていくようにします。
徐々に降ろすのが出来なければ50秒までは最初のフォームをキープして、
残りの10秒で出来るだけゆっくりと降ろしていってください。最後は潰れる形で構いません。
これは伸張性の方が大きな筋力が発揮できるという特徴を利用した腕立て伏せの応用編です。女性でも可能です。
同じようにスクワットも、ゆっくりとしゃがむようにすることで伸張性動作を有効活用できますし、
バーベルカールもバーを降ろす時は極力丁寧にゆっくりを心掛けてみてください。