アメリカでは、子どもを一人にさせておくと、もうそれだけで児童虐待(child abuse)とか、育児放棄(neglect)って話になって、逮捕されることも珍しくない。
しかも、日本人の感覚からすると信じられない話だが、親も一緒に行っているスーパーの駐車場とか、自宅の裏庭や、自宅の中(つまり、子どもだけでのお留守番)ですら、子どもを親の目の届かないところに放置してたって罪で逮捕され、何百万円単位の罰金を課せられたり、育児相談所に呼び出されたりもしてるのだ。
おまけに、そんなニュースがしょっちゅう報じられている。
〔ご参考〕
●Mom let 4-year-old wander alone in Walmart parking lot
~スーパーの駐車場で4歳児を放置(自分は車内にいた)して逮捕
●Soldier charged with leaving young children alone
~米軍勤務の兵士の女性、すぐに帰ってこれるトレーニングのため、4歳と3歳の子どもを、鍵をせず自宅内に残して外出したところ、外に出て遊んでいた子ども達が保護され、逮捕、保釈金2万ドル(約220万円)支払うことに。
●This Mom of 3 Got in Serious Trouble For Letting Her Kids Play Outside ? and She’s Not Having It
~カナダの例で、自宅の裏庭で10歳と5歳の子どもだけで遊ばせていたところ、近所に住む「心配した市民」から児童虐待や育児放棄の疑いがあると役所に通報され、入念な取調べを受けることに。
他にも類似のニュースは無数にあって、試しに「leaving a child alone」(子どもだけで放置する)をGoogleなどで検索すると、家や車の中や公園に子ども放置して逮捕されたというニュースが山ほど出てくる。これじゃ、ナニーが重視されるのも当然だろう。
あと、こうした文化背景があるためか、日本では人気テレビ番組として、25年以上も続いている『はじめてのおつかい』(日本テレビ)を、初めて見た欧米の方々が、
「幼い子ども一人だけでおつかいに行かせるなんて日本人はクレイジーだ」
と大騒ぎすることもある。
試しに、「Hajimete no Otsukai」で検索してみたら、つい最近、5月30日にイギリスのニュース・サイトで記事になってた。
そのタイトルは、「なぜ、日本人は、安心して子どもを一人で外出させられるのか?」(Why Japanese parents feel safe letting their children travel alone)
この記事では、欧米とは比べものにならないほど、とてつもなく日本の治安が良いから、と結論付けている。
うーむ。まぁ、それはそうなのだけど、社会の背景にある文化や慣習などの違いによる影響も、当然、かなり大きなはずで、そっちの分析の方がより重要なんだけど、どうやらあまりにも日本の治安が良過ぎるので、そこで思考停止になっちゃってるっぽい。
〔ご参考〕
●Why Japanese parents feel safe letting their children travel alone