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「全力を尽くします」などと言う社会人を信用してはいけない理由

決意表明として使ってしまいがちな「全力を尽くします」という言葉。しかし、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんは、「そんな言葉は社会に出てからは通用しない」と言います。しかも、全力を尽くさない社会人のほうが評価できるとまで。いったいどういうことなのでしょう?

全力を尽くすのは当たり前

全力を尽くします、という決意表明は社会人には通用しません。上司や同僚、取り引き先、顧客が欲しいのは、あなたに全力を尽くしてもらうことじゃなくて、約束した成果を実現することなんですから。一所懸命頑張りました、でもうまく行きませんでした、が許されない世界なのです。それが許されるのは大学の同好会までなんですから。社会人として会社からお給料をもらうというのは、成し遂げた成果の対価なのだということに気が付けば、頑張ることがゴールではないことに気付くはずなんですね。

厳しいことを言えば、頑張らなくていいんです。テキトーにやっててもいいんです。ランチ休憩を3時間とって、その間に昼ビールを飲んでもいいんです。ちゃんと約束した成果を出しているのであれば

私がサラリーマン時代に、同僚などから「一所懸命頑張ります」なんて言われたら、イヤイヤ頑張らなくていいから成果だけ出してくれるかな、と返してましたから。

頑張る、全力を尽くすというのが評価されるのは、その結果なんとかギリギリのところで成果を出したときで、そういうときには、「最後ホントに頑張ったね(だからどうにか目標をクリアできたわけだ)」と評価することもありますが、やっぱりこれも成果を出したという結果に対してもらえる賛辞なんですよね。逆に、最後の一踏ん張りが足りなくて落としたりすると、それはもうボロクソ言われるわけです。「あと一歩なんで頑張らなかったんだよ、このボケナス!」って言われちゃうわけですね。

頑張る、全力を尽くすという行為がなぜ評価されないのかというと、この行為には知恵が必要ないからです。とにかく全力で走っているように見えればそれで評価されちゃうのであれば、頭なんて使いませんよね。工夫をしようとか、仕組みを作ろうとか、先回りしてエラーを防ごうとか、そういう思考って全力で走っているときには思いつかないんです。だって身体を動かすことにすべてのエネルギーが向かいますから。それが全力を尽くすということなんです。

つまりこれって、頭を使い慣れていない人にはものすごくラクで心地いいんですよ。体力の及ぶ限り走り続けているだけで、あとは何もしなくていい、というのが全力を尽くすことが評価される会社で起こることなのです。そういう会社は無意味にみなさん長時間労働で、夜の9時、10時くらいまで会社にいるのは当たり前だったりします。

こういう会社で6時に帰ろうとすると、それだけで全力を尽くしていない、って言われちゃうんですよね。そういう会社でエクセルマクロを駆使して自動化、省力化を提案しこれを実現させると宇宙人を見るかのような視線を受けますから。これはつまり、やってることは確かにスゴいんだけど、これって褒められることなんですか? と戸惑うんですね。そういう会社では、そんな状態で目が泳ぐ人をたくさん見ることができます。

反対に全力を尽くさない、頑張らない、と決めたら、「頑張らずにどうやって成果を上げるのか?」という命題が生まれるということで、生産性の向上ってこの瞬間からスタートするんです。そうなるためには、今の状態から何かを変化させなきゃならないんですね。そのためには頭を使って知恵を出す必要があるんです。そして全力で走らないからこそ、知恵を出す余力が生まれるんです。脇目を振りながら、状況を冷静に把握して、余った体力を使って試行錯誤ができるわけです。

ちなみに、全力を尽くしているときって試行錯誤はできませんから。試行錯誤ってうまくいくかどうかわからないけどちょっと試してみよう、という行為ですよね。「これってうまくいくのかなぁ?」という振り返りとか確認って、身体と脳みそに余裕がないとできないんです。全力を尽くしているときってそれがない状態ですよね、それがあったら全力を尽くしていない(手を抜いている)ってことですから。

だから、社会人は全力を尽くしちゃダメなんです。「全力を尽くさずに目標を達成するにはどうしたらいいのか?」を考えるべきなのです。

image by: Shutterstock

 

サラリーマンで年収1000万円を目指せ。
著者/佐藤しょ~おん
高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て無料で公開。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信する。
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