1952年から続く美術・骨董の展示即売会「正札会」が今週末開催

2016.07.01
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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歴史ある美術・骨董の即売会。昨年はおよそ4,000人が来場!

1952年(昭和27年)といえば、日本はまだ戦争の傷跡が残る復興の真っ只中の頃。そして、日本がアメリカを始めとする連合国との間で結んだ「サンフランシスコ条約」に調印し、主権を回復した、まさにその年でした。

日本国内では日本文化放送協会(現在の文化放送)をはじめ、11のラジオ局が開局、漫画雑誌「少年」(光文社)で手塚治虫のSF漫画「鉄腕アトム」が連載を開始したり、宝塚歌劇団で「源氏物語」が上演されたりと、芸術・文化の面でも復興が進んでいた頃でもありました。

そんな戦後間もない頃、日本のあらゆるところで美術作品や焼け跡から拾ったがらくたなどが売られていたそうですが、それに目をつけた百貨店の髙島屋が「我楽多市」という販売会を実施していました。それをきっかけとして昭和27年、東京美術倶楽部が主催したのが「正札会」の始まりです。現在は毎年2回、7月と12月に開催されています。

古美術や骨董品と聞くだけで「またお高いんでしょう?」「一部の富裕層だけが購入してそう…」という印象をお持ちかもしれませんが、実は全国の信頼ある美術商が出品する日本画・洋画・古書画・茶道具・諸美術品などを、1点2万円より購入できるんです!

知る人ぞ知る催事にもかかわらず、隠れた名品・傑作を発掘できるとあって、2015年にはおよそ4,000人もの来場者があったそうです、すごいですね。

チャリティ入札会も実施。中にはレアな作品も!

会期中には、毎回好評を得ているというチャリティ入札が行われます。該当のコーナーに並ぶ美術品・骨董品には、値札が付いていません。入札制のため、有名な作品をおトクに購入できるかもしれませんよ。美術作品の入札をリアルタイムで見られる機会もめったにないので、それを見るだけでも価値がありそうですね。

どなたでも入札に参加することはできますが、原則として最高価格入札者が買手となります。

なお、集められた寄付金は、今年5月の熊本地震で被災した熊本城の修復費用に充てられる予定とのこと。

◆チャリティ入札スケジュール

下見・入札

7月2日(土)

《18:00まで》

7月3日(日)

《12:00まで》

落札発表

7月3日(日)

《14:00より》

 

MAG2NEWS編集部は今回、そのチャリティの準備会場にいち早く潜入。作品の一部を、こっそりご紹介します。

紀元200年の名品も!?

まず目を引いたのが、「裸の大将」こと山下清画伯の名版画「長岡の花火」!

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山下清の版画、実は生で観たことなかったので、ちょっと感動。※展示品には触れてはいけないため、画像が斜めでスミマセン。

 

また、中国「漢」の時代(およそ紀元200年)の穀倉もありました。

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買って何に使うのかというと……言葉が出ませんが、とにかく歴史を感じさせてくれます。

 

個人的に惹かれた「能面」。

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無形文化財選定保存技術保持者である、能面師「長澤氏春(うじはる)」作。認定証も付いています。余談ですが、能はこの小面(こおもて)と動きだけで喜怒哀楽を表現しなければならず、奥が深いですね。

 

その他にも、全国の美術商が出品する日本画・洋画・古書画・茶道具・諸美術品が約1万点も大集結。「古美術」「骨董品」というと敷居が高く感じられると思いますが、紀元200年のものもあれば、現存作家の作品もあったりと種類も年代もさまざまです。会場には、料金500円でいただけるお抹茶席あるそうなので、美術館にふらりと行くような感覚で気軽に行ってみてはいかがでしょうか?

 

「東美 正札会」概要

名  称

東美 正札会

日  程

平成28年7月2日(土)10:00 ~ 18:00 ・ 7月3日(日)10:00 ~ 17:00

会  場

東京美術倶楽部 東美ミュージアム

主  催

東京美術商協同組合

後  援

NHK厚生文化事業団

入 場 料

無料

出 品 物

絵画(日本画・洋画)、古書画、茶道具、諸美術品
※ご購入の際には、各種クレジットカードをご利用頂けます

お問合せ

東京美術倶楽部

〒105-0004 東京都港区新橋6-19-15

TEL: +81-(0)3-3432-0191/FAX: +81-(0)3-3431-7606

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