「アイツも疲れてるだろうし、たまには手伝うか…」そんな夫の優しさから始まった家事の手伝い。なのに、いざやり始めたら妻は目を吊り上げてガミガミとダメ出し。「もう金輪際、手伝ってやるものか!」そんな悲しい結果を生まないために、メルマガ『そうだったのか! この違いがわかれば、きっと許せる「男女の違い105」』では、家事分担の秘訣について詳しく紹介しています。
夫(男性)に、家事をどう頼むか
97号「キレる妻の根っこにある思いとは?」の紹介後、何人かの方から、メールをいただきました。(メール内容は一部抜粋。「楽になろっ!」相談室にきているメール、取材含める)
まさに「不公平感」でいっぱい。片付けを頼むと「疲れている」と怒り出すので頼むのも辛い。疲れているのは私も同じ。この頃は、腹が立つので口もきかない。でも、そうしても、夫には何の不自由もない、悔しい…(36歳/子ども2人)
そうだ「不公平感」だと合点しました。そして、夫に家事をしてもらう方法を考えようと思いました。私もフルタイムの仕事をしていますから。ただ、いつも家事を手伝ってやっているオーラがあり、それを見ると他人事なのだと思え、カチンときます(42歳/子ども1人)
また、男性から、こんなメールもありました。
いつもイライラして、怒ったような口調で話すのが、不公平感からかもと、妻の気持ちがわかったが、ただ、手伝おうにもどう手伝っていいかわからない。手伝っても文句を言われるだけですし、挙げ句には、もうやらなくていい、手を出さないで、なんて言われるし。妻のイライラは、直らないのでしょうか
まとめると、
妻(女性)たちからは、不公平感について「その通りだ」、でも、だからといってどうしていいかわからない。
夫(男性)たちからは、妻(女性)の不公平感はわかったが、それにどう対応すればいいかわからない。
と、うまくやっていきたいという気持ちはあるのですが、「どうしたらいいか」がわからない、というメールが多かったです。
「脳にも違いがあるとすると、無理なのでは?」というご意見もありました。
なんとか、ならないものでしょうか…。
なんとかするべく、今号は、家事の頼み方、やり方などを取り上げてみました。
さて、今号のキーワードは、
■男性 他人事、一部作業
■女性 日常事、全体作業
自分たちとは違うよ~と思われる方もおられると思いますが、何かの参考にしていただければ幸いです。<(_ _)>
それは、ゴミ出しではなくゴミ移動
もう少し、メールを紹介させていただきます。
夫は、ゴミ出しはしてる、と言いますが、ゴミを集め、分別しているのは私です。夫がやっているのは、ゴミを集積所に持って行く、ゴミ移動作業です。
洗濯だって、洗濯前に、汚れ状態を見たり色物の仕分けをしたり、洗濯ネットに入れたりするし、洗濯物の取り込みもあります。その一連の作業を「洗濯」と思いますが、夫は、ボタンを押すこと、干すことまでと思っているようです。夫に頼むと、全部を一緒にいれて洗濯するので、他の衣類に色移りすることもあり、とても頼めません
その他、料理をすると言っても、片付けをするのは妻(女性)、掃除も掃除機をかけるだけで、片付けはしない、などということもあるようです。
夫(男性)に家事を頼むと、妻(女性)が望んでいる「家事」ではなく、その家事の一部だけをするので、全体をしてほしい妻(女性)にとっては、かえってストレスになる、後始末が大変で頼む気になれない、という実態が見えてきました。
例えば、ゴミ出しの件ですが、流れとして、こんなことがあります。
- 何曜日がゴミ収集日か常に意識
- その日に合わせてゴミを集める(各部屋ごと、分別ごと)
- ゴミの分別をする(ビン、缶、可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミなど)
- 分別を確認する(間違ってゴミを捨てていないか、ビンは洗ってあるかなど※自治体によって違うので、それに添って)
- ゴミを運ぶ人のために、手が汚れないように袋を入れ替える
- 新しいゴミ袋をセットする
玄関先にまとめてあるゴミ袋を持って行くのが、ゴミ出しではない、のですね~。
一人暮らし経験のある夫(男性)なら、家事の流れはわかると思いますが、家事とは、このような細かい作業の集合体です。
女性は日々の流れの中で「次はこうやって、ああやって」と頭の中で考え、こなしていきますが、男性の場合は、いつもやっているわけではないので、流れ全体をつかむことがむずかしく、一部になってしまうことになりがちです。
ゆえに、妻(女性)が満足するような家事は、とても出来ない、ということになりやすいのです。
このほか、女性の不公平感では、
「夫(男性)は、家事を他人事だと思っていて、頼むと、やっているという感じで押しつけがましい」
「やってやったぞ、オーラいっぱい」
「やった後に、お礼を言うのも面倒」
という、「他人事」というのも感じられ、頭にくる、というのも多いようです。
頼まれたことをやりたくない理由
一方、夫(男性)からは、
「一連の作業をしようとしても、妻(女性)と同じようなやり方でないと気にくわないらしく、ああやれ、こうやれ、と言われるし、いちいちダメ出しをされるので、やりたくなくなる」
という意見も多くあります。
ところがこの意見も、女性たちからは、
「だって、夫に『明日はゴミ捨ての日だから、ゴミ集めて』と頼むと、ゴミ箱がただ集められているだけで、もちろん、分別などはしてなくて、こうして分別して、こうして袋に入れてと、細かく指示をしないといけない。これが、いつもで…とにかく夫に何かを頼むのは面倒」
ということにもなります。
ここから見えてくる実態から、どうも、
妻(女性)の「頼み方」
夫(男性)の「やり方」
に、問題があるのではないかと推測されます。
このメールマガジンでも何度か取り上げてきましたが、家事を手伝わない、ことが離婚の原因にもなる時代で、妻(女性)は、「家事」を手伝って欲しいと願っていますし、夫(男性)も手伝おうという気持ちはあります。
けれども、頼み方が悪いばかりに、やり方が悪いばかりに、お互いにイヤな思いをしてしまうのです。
そんなこともあり、女性は、頼めないし、頼まないのですね。
男性も、頼まれなければしないし、頼まれたくないのです。
頼むのも面倒、頼まれるのも面倒という気持ちが大きいからですね。
でも、女性の不公平感を少しでもなくしていくには、一番大きな不公平感を感じる「家事」を夫婦で、分担していくことが大切だと思います。
では、どうしたら上手く「頼めるか」男性は、どうしたら上手く「やれるか」のか…。
妻(女性)は、どう、頼むか
女性同士では、「頼まれなくてもやる」ことが基本になっていますから、女性は「あえて頼む」ことが苦手です。
そして、男性にも、「今の自分の状態を見て、大変なのがわかるのだから、自発的にやってほしい、頼まないでもやってほしい」と、願っています。
でも、それはむずかしいです。
男性には「頼む」ことが必要です。
しかも…上手に…。
「え~それなら、面倒になるなら私がやるわ」と思う方は、楽しく家事をやること、「不公平感」をやわらげていく自分なりの方法を見つけていくことをおすすめします。
でももし、ちょっとでも「頼もう」と思うなら、次の頼み方にチャレンジしてみてください、ね。
いっときの手間と、忍耐はいりますが、それを過ぎれば、夫(男性)は、きっと、やってくれる、はず、と思いますから、気長に…(笑)
以前にも紹介しましたが、再度紹介しますね。
まず、家事を頼む時に大切なことは、
◎夫(男性)が、好きそうな家事、出来そうな家事からしてもらう
◎急に、今すぐやってくれと頼まない
ということが前提です。
妻(女性)が、「今今、すぐしてほしいことから、いきなり頼む」のは、ケンカの元になるだけです。
男性は、
◎突然、急にに弱い
と心得ておきましょう。
できることからしてもらい、自信をつけてもらい、気楽に家事参加できることを目指していきましょう。
また、お願いしたい家事は、あらかじめ具体的にインプットするようにしましょう。
例えば、
「何をどこにしまうのか」
「どこどこの◎と●と○を買ってくる」
ゴミの分別などは、どこかに表を貼っておくなど。
ひと行動で出来る簡単なこと(電球を変えるなど)なら、大丈夫ですが、その家事を継続的に、先ほどのゴミ出しのように一連でを頼みたい場合には特に。
そしてこのとき、ただ頼むだけではなく、
◎効率化の相談をして、効率化をしてもらい、家事に興味をもってもらうようにする
といいですね。
「これをこのようにやって」と頼むより、「これをどうやったら効率化できるか」などを相談しつつ任せるのです。
そして、その家事いったん任せたら、
◎細かいところまでお願いしない
◎完璧を求めない
◎自分と同じくらいに出来なくても、目をつぶる
◎タイミングは、男性に任せる
ことにしましょう。
そして、できれば、
◎「△△のことなら、パパ(彼)におまかせ」というような役割をつくる
◎おだてる、感謝する、ときに、ニンジンをぶらさげる(油も燃料もしっかりあげていきましょう)
こともしていきましょう。
また、
◎重いもの、女性だと大変そうなことをお願いする(得意なことを先に頼む)
◎女性が忙しそうにしつつ、「ちょっとやって~そのほうが、効率がいいから」と、効率化を全面に出しつつお願いすると、やってくれる確率は高くなります。
また、例えば、お掃除などは、
◎男性は、便利グッズのようなものをあれこれと比較検討し、「これがいちばんだ」と選ぶのが好きなので、そこから、掃除に興味を持ってもらい、実際に威力を試してもらう「お掃除グッズ買い出し作戦」なども有効です。
少しゲーム感覚、チャレンジ感覚を入れた感じで頼むようにするといいようです。
頼む妻(女性)側も、
「どうやったら動くかしら、やってくれるかしら?」
「おっ、これは、出来たわね、これはダメだったか…」
などと、いろいろと楽しみながら試してみるといいと思います。
そして、その家事をしてもらったら、それが満足いくものでなくても、
「ありがとう、助かったわ~」
「やっぱり、効率がいいわね」
「やっぱり男手があると違うわね~」
「辛い役や汚れ役を立派に務めてくれる男の人ってカッコイイ!」
と、感謝、褒める、おだてることもお忘れなく。
次に気持ちよくやってもらうためには、これも必要不可欠です。
夫(男性)は、どうやれば怒られないか
男性に、覚えておいてほしいのは、たった2つだけ、です。
これは、とても大事なことなので、ぜひぜひ、覚えておいてください。きっと、役に立つはずですから。
まずは、
◎妻(女性)に、頼まれたら、
「いつも、どうやっているの?」
「どんなふうにやればいい?」
とやり方を聞く。
そして、
◎最初は、妻(女性)の言ったやり方でやる
ことです。
これだけで、全然違います。
聞かずにやると、怒られたり、やり直しを命じられたり、やってもブツブツ言われることになりますから、しつこいようですが、
「妻(女性)に、家事を頼まれたら、どんなふうにやればいいかを聞くこと、そしてまずはその通りにやること」
を忘れないようにしてくださいね。
本当に、これだけでも違いますから。
そして慣れてきたら、怒られない程度に、自分流でどうぞ。
もしも、苦手だとか、したくない家事、やるタイミングなどがあれば、そのことを率直に妻(女性)に相談してみてください。
「今は出来ないけど、○○ならできるけどそれでいいかな」
「これは、苦手だから出来ないけど、○○ならやるよ」
など、相談してみましょう。
代替え案があれば、妻(女性)は納得してくれる、はず、です。
なお、家事はしたくない、と思っている男性の方は、代わりに稼ぎをよくする、という直接的な方法もありますが、こんな、調査もありますので、参考までに。
2006年の少し以前の調査ですが、「夫婦関係満足度とワーク・ライフ・バランス」(山口一男氏)では、夫の月収10万円増加するのと同じくらいの価値があることとして、
◎「平日の夫婦の会話時間を1日平均16分」増加させる
◎夫の育児分担割合を3%増加
だそうですから、会話を増やしてみるのは、かなり効果があるようです。
家事をする代わりに、日々16分くらいは妻(女性)と会話をする、のもいいかも(笑)。もちろん、育児参加もいいですね。
やれる家事があれば、ぜひ、積極的に家事参加をお願いしたいところです。
また、「やってあげているオーラ」が出ていると、「他人事」と思っていると思われ、反発を買いますので、そのオーラは出さないようにしてくださいね。
今回のキーワード
さて、今号のキーワードは、家事についての傾向でした。
■男性 他人事、一部作業
■女性 日常事、全体作業
夫(男性)は、妻(女性)の不公平感を減らし、優しさや笑顔を取り戻すために、家事チャレンジをしてみるのはどうでしょう。
妻(女性)も、頼んでみるチャレンジはどうでしょう。
なかなか思ったようには、出来ないかもしれませんが、もし、できそうなことがありましたら、チャレンジしてみてくださいね。
参考にした本はこちらです。
出典名: パパのトリセツ
著者: おおたとしまさ
出典名: 脱・不機嫌な女
著者: 武部 純子
出典名: フルオートでしか洗濯できない人の 男の家事
著者: 五藤 隆介 (著)
出典名: 結婚生活を長続きさせる10の秘訣
著者: ジュディ・C. ピアソン
image by: Shutterstock
『そうだったのか! この違いがわかれば、きっと許せる「男女の違い105」』 より一部抜粋
男女の違いを、様々な年代層への取材などを通じて自ら検証。「105の違い」にまとめました。「105もあるのぉ?」大丈夫です! むずかしいことは書いておりませんし、事例も身近で、読めばきっと、「そうそう」と頷かれることばかりだと思います。楽しみながら読んで、ちょっと実行して……みてくださいね。
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