吉田「うーん、どうにもこうにも憤りを感じるのは僕だけなんでしょうか? 飲酒運転を摘発すればその担当者は評価が上がると思いますが、国庫へ罰金が流れてしまうことで警察に利益がもたらされない……。なんだかおかしいと思いますが、現職の警官たちはそれでいいのかと物申したくなります」
Sさん「飲酒取り締まりで摘発経験したことのある警官はみんな不満に思っているってば。納得行かないけどこれが”警察”の現状なんだよ」
吉田「やっぱり『ロボコップ』のデトロイト警察みたいにストライキ起こすしか生まれ変わらないですねぇ。厳罰に処する赤キップの交通違反を積極的に取り締まらない理由が分かった気がします。以前、友人がクルマで運転している際に白バイに50kmオーバーで捕まり、一発免停になりそうだった時なんですが、25kmオーバーの半分にオマケしてもらったそうなんです。さらに別の友人は原付バイクであきらかに60km以上国道をスピード出して走行していた時も白バイに捕まり、”58km出してたぞ!28kmオーバーだ”って言われてなぜか赤キップではなく青キップの反則金で済んだって言ってました。ちなみにその原付バイクはリミッターカットしていて、フルスロットルで走れば75km~80km出るように改造していたので、最低でも75kmの速度は出ていたって言ってました」
Sさん「吉田の友人らの検挙例を察しても分かるとおり、白バイ隊員も赤キップを切ると書類作成などに追われたりもあるほか、国庫に罰金として納められてしまうことを理解しているから敢えて30kmオーバーにしなかったりするわけなんだよ。ギリギリ青キップで検挙するやり方は俺ら警官の間では当たり前の実態だったりする」
吉田「マジですか!?」
Sさん「ネズミ捕りでも所轄によっては赤キップを切らないよう青キップでの速度違反で寸止め検挙を行なっている連中も実はいる。決して公にはならないんだけどね。これが知れ渡ったら堂々と30kmオーバー当たり前で走行する者が出てくることを懸念しているからなんだけども」
吉田「ちょっと気になったんですが、1年間でドライバーが反則金で納付する額っていうのはどれぐらいなんでしょうか?」
Sさん「ザックリ言っちゃうと750億~800億円ぐらいかな。その年度によって前後するけども大体はこれぐらい。反則金だけで、大幅な速度超過や飲酒運転などの重い罰金刑は含まれてない」
吉田「かなり莫大な納付額なんですねぇ……。ってことは、摘発件数が増えると増額、減ると減額ってことになるんですか?」
Sさん「まさにそう。結局それが努力目標へと繋がるわけだ」
吉田「努力目標?」