波紋を呼んだ「マンション内での挨拶禁止」は、時代の流れなのか?

 

ごく普通に生活している大多数の住民は、自分たちを異常者かもしれないというような目で見るのかと、今の風潮に違和感を覚え、あいさつを返さないことを不愉快に思うのは当然と理解できますが、今の子供の安全の状況は昔の感覚での想像を超えています。ネット上の異常な書き込み等を見ると、こういう人たちも普通の市民生活を送っているのかと思い、ほんとうに怖くなるといいます。

公園のベンチで子供の遊ぶ様子を眺めている人を見る、前の道から自転車に乗って公園の様子を見ている人がいる、それだけで、ひょっとしたらと親は緊張するといいます。この感覚は、今守らなければならない子供がいない人にはちょっと想像ができないことでしょう。

で、子供もマンション内であいさつされるたびに緊張し、一方で、あいさつをされても無視することでどこか心も痛むという状況があるから、もう声をかけないでほしい…という親の心境はわからなくもないと言います。

今回の話題の投稿の話が、そういった子供を巡る実情を踏まえ、子供を緊張させないように、顔見知りでない子供が一人でいるときはあいさつをひかえようという丁寧な議論と丁寧な説明の掲示であってくれたらと願います。

一方で、大人同士はこれまで以上にきちんとあいさつを交わし合い子供にとってのマンション内の知らない人を減らしていく努力も重要です。「あいさつ」が防犯上有効であることに変わりなく、おかしな人がマンション内に入り込まない防波堤になることを大人はしっかり理解しなければなりません。

子どもにとっても、マンションの人がみんな顔見知りになれば「知らない人」がいなくなって問題はないのです。「知らない人」が「知っている人」になったら、子供の方からあいさつをするような、そんな風土を作りたいですね。

それまで、ちょっとさびしくても、大人は待つ…というのもいいかもしれません。

image by: Shutterstock

 

まんしょんオタクのマンションこぼれ話
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