波紋を呼んだ「マンション内での挨拶禁止」は、時代の流れなのか?

 

おかしな人に声をかけられたのならしかたがないけど、優しく笑顔であいさつしたマンション内の人を無視するなんて…という声も当然ありますが、子供だけのときに、やさしそうに声をかけることすら、親から見たらできればやめてほしいことなのです。子供の隙をねらっている本当の異常者は、見た目で異常者とわかるわけではなく、親切そう、優しそうな様子で近づいてくるのですから。

オートロックの小規模マンションで、ほとんどが何らかの形で顔見知りというようなマンションだと、マンション内で子供もあいさつをするのはごく普通のことです。大型マンションでも、もともとコミュニティがしっかりしているところは、子供が生まれた時から周りはその子を知っていて、あいさつするのは当たり前の文化があります。で、そういうマンションには、犯罪者も入り込みにくいのです。

比較的新しく、マンション内の人間関係が希薄だとマンション内の人でも「知らない人」の確率が高くなります。親も、マンション内で会った人に、子供に、あいさつするな、声をかけられたら逃げろなんて本当は言いたくないはずです。

しかし、大型のマンションだと、マンション内で会った人も、普段ご近所付き合いがあるお隣さんや友達の親を除くと、子供にとっては最初は「知らない人」です。ほとんどは、マンションの住民で、普通にあいさつをしてくれている人でしょうが、その中に、おかしな目的でマンション内をうろうろしている人が混じっていないという保証はないのです。

あるお母さんはいいます。あいさつをしないことで、おかしな子供、失礼な子供と思われるリスクと、万が一でも、あいさつがきっかけで、子供を犯罪に巻き込むことになるかもしれないリスクを天秤にかけて、子供を万が一から守るためには仕方がないと、知らない人にあいさつされたら逃げるようにと言わざるを得ない…と。

マンションの真ん前にあるバス停で、夜、塾帰りの小学校高学年の女の子をお母さんが待っている光景をよく見かけます。玄関は目の前ですが、ほんの少しの間でも、子供を危険な目に合わせる可能性を排除したいのです。タワーマンションで、夜、中学生の女の子がエレベーターを降りて、自宅まで誰の目もない共用廊下を一人で歩くことが怖いので、エレベーター前まで迎えにいくという人もいます。

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