すべてはカネ。トランプとプーチンが「相思相愛」である明快な理由

 

米ロ関係はこれから良くなる

RPEでは、「シリア問題で米ロ関係は悪化しているがそれも選挙までだろう」と予測していました。予想どおり、米ロ関係は改善に向かっています。そして、トランプには、「日本は、アメリカの属国でなければならない」という固定観念がありません。これが「政治畑」を全然歩んでこなかった彼のよいところ。

日本は、今までと違い、対ロシア関係で行動の自由を得ることでしょう。ですから、今後の問題は、「日本政治家の質」なのです。

中国の戦略は、

  • 中国、ロシア、韓国で「反日統一共同戦線」をつくる
  • 中ロ韓で、北方4島、竹島、尖閣・「沖縄」を日本に放棄させる
  • 「アメリカ」を反日統一共同戦線に引き入れる

(中国戦略の詳細はこちら→反日統一共同戦線を呼びかける中国

だから、日本がやるべきことは簡単です。

  1. アメリカとの同盟関係をますます強固にする
  2. ロシアと和解することで、結果的に中ロを分裂させる

言ってみれば簡単なのですが、「欲」とか「エゴ」に汚染されていると、平明に見られなくなります。2次大戦前も、「満州は日本の生命線!」などと言い、アメリカ、イギリス、ソ連、中国を同時に敵にまわしてしまった。

「アメリカとロシアを味方にし、中国に侵略のアクションを起こさせない」。

これが日ロ関係改善の意義です。北方4島を返還してもらうことは、もちろん大事です。しかし、中国から沖縄を守ることはもっと重要ではないでしょうか?

安倍総理は、こういう「大戦略的意義」を自覚して、ロシアとの和解を実現していただきたいと思います。

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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