中国政府の壮大な実験。1億人「強制」移動計画で農民たちが暴徒化

 

日本の列島改造論に救いを求める!?

背景には中国国内の経済状態が芳しくないため、ここで大胆な計画を進めていこうという思惑も見え隠れしている。この計画とは、中国は総人口13億7千万人のうち農村には6億2千万人の人口がいるが、その内の1億人を都市に移動させることを目標としている。そして、残った農村の跡地を再開発し都市部に変える。その後、さらにそこに別の農民を移動させていく施策によって、経済を活性化させて行こうとしている。

中国経済は以前は2ケタ成長だったが、3年前から6~7%の成長率に留まり、実質は3~4%ともいわれる。いわば、田中角栄氏の「列島改造論」のようなことをしようとして、農民を労働者にしようともしている

強制移動により、各地でデモが頻発…

中国では1958年以来、都市住民と農村住民は「戸籍」で区分され、 双方の移動は厳しく制限・管理されてきた。そのため農村の戸籍を持った人は、都市に行くことが難しかった。たとえ、行ったとしても医療や教育サービスを受けることができない。また、農民が農地を離れると土地の「使用権」を取り上げ、土地に縛り付けてきた。

ところが、今回の新たな施策により役人が突然来て「ここが再開発地区となったため、1ヶ月以内に出て行け」と告げている。その後農耕具を強引に奪い、仕事が出来ないよう追い込み、農民は強制的に都市部に移動させられている

移動にあたって、土地の使用権の買取や職の斡旋はしてくれる。しかしながら、これまで農民として生きてきているのでなかなか新たな仕事は見つからない。労働者やアルバイトでなんとか食いつないでいる状態で不満がたまり、中国各地でデモが頻発しているという状況に至っている。

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