さらにひと工夫して促す
「単純に促す」にひと工夫するとさらに効果的です。いくつかありますが、一つめは「ハードルを下げて促す」です。「宿題、今のうちに半分だけやっておこう」「手伝ってあげるから、一緒にやろう」のように言えば、取りかかりやすくなります。
二つめは「ユーモアで楽しく促す」です。「二倍速のはや回しで着替えよう」「いつまでも寝てるとパパがくすぐり妖怪になってくすぐるよ」のように言えば、楽しい気持ちで素直にやれます。
三つめは「選ばせて促す」です。「食べてから勉強する?勉強してから食べる?」のように聞いて子どもに選ばせると、自分で選んだという責任が生じて、それが実行につながります。
四つめは「時間を示して促す」です。「はやく着替えなきゃダメでしょ」では漠然としていますが、「8時15分に着替え終わるよ」と明確に示せば時間を意識して動けるようになります。
五つめは「ゲーム化して促す」です。「はやく歩きなさい」ではなく「駐車場まで競走だ」と言えば、大いにその気になります。
「はやく上手にたためるのはどっちかな?ママと競争」「片づけっこ競争、用意、ドン」「何分で着替えられるかな?時間計るよ。用意、ドン」なども使ってみましょう。
最後に付けくわえます。親の言葉は子どもにうつりますので、親が静岡弁なら子どもも静岡弁になります。親が否定語弁なら子どもも否定語弁になり、親が肯定語弁なら子どもも肯定語弁になります。ですから、親の言葉を変える努力は待ったなしでお願いします。
初出『月刊サインズ・オブ・ザ・タイムズ(福音社)』2014年10月号
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