そこまでやるか。安すぎるホテル「ウィークリー翔」のありえない戦略

 

ではなぜ、ウィークリー翔が非常識な打ち手が打てるかというと、ひとつは、希望社は、建築設計・施工・コンサルティングを提供している会社ですから、ホテルの経営を専門で行っているわけではありません。だからこそ、ホテル業界に属する企業とは異なる視点を持っており、常識にとらわれない打ち手が打てているといえます。もうひとつは、戦略を理解していて、それをしっかり実行できているということでしょう。

重要なのは、戦略と戦術の関係です。戦術は、戦略を実現するために具現化したものですので、あくまでも戦略が主で、戦術は従という関係です。

ウィークリー翔は低価格を強みにして戦う戦略をとっており、戦略の実現を徹底的に突き詰めていることが、コスト削減につながる様々な打ち手につながっているのです。これは簡単なようで、できている企業は少ないです。

いまの自分の行動、打ち手(戦術)が、自社の戦略の実現につながっていると自信を持って言える方は少ないですし、そこまで意識できている方も少ないと思います。そもそも自社の戦略がわかっていない、わかりにくいということもよくあります。

ウィークリー翔は、一般的な常識は一旦置いておいて、戦略を実現するためにどうするかを追及しているからこそ、格安のホテルとして、顧客から注目されているわけです。

そもそも、後から参入してきた企業が先行企業と同じような平均的なホテルで参入しても自社が選ばれるのは難しいでしょうから、理にかなった戦略・戦術をとっているといえるでしょう。

今後、ウィークリー翔がどのような成長を遂げるのか楽しみです。

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