【書評】米国何するものぞ。国を思う文士・阿川弘之の憤慨録

 

「これが日本が戦争に勝った証拠だよ」。なぜかと問うと「戦勝国の高い文化は文化の低い敗戦国に浸透して行く。これは、古来から歴史の常識じゃないかね、君」。佐藤は超ヘビースモーカーで、戦後はロングサイズのペルメルばかり喫ってる。編集者が大先生を少し困らせてやろうと「どうして日本の煙草を喫わずに、そんな文化の低い敗戦国の煙草ばかり喫うんですか」と訊ねたら「これは敗戦国の貢物じゃ」と言ったそうだ。雑誌も手紙も検閲されていて、アメリカ批判など口にする人はめったにいない時代の話だ。自由で安全な社会で、反体制反権力が売り物の現在のもの書きたちには、そんな気骨やユーモアは爪の先ほどもない。朝日新聞の受け売りで正義面をした輩が多い。

編集長 柴田忠男

 
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