苦渋の選択か。高齢者がマンションから戸建てに移る深刻な理由

 

超高齢になっていく中、マンションに区分所有者として住むのは厳しいという現実もあるのではないか…、ということです。そういう視点でアンテナを立てると、いろいろな声が聞こえてきます。

フォーラムのあと、孤独死に関する体験談が届きました。うちは戸建てなんですが、先日、お隣の一人暮らしの高齢の方を孤独死寸前で助け出しましたよ…、と。お隣から「助けて」という大きな声が聞こえてくるので、駆けつけると、お風呂場付近で助けを求める声が。で、たまたま鍵がかかっていたかった小窓から入って風呂の中で動けなくなっている隣人を助け出しましたが、あのまま誰も気が付かなかったら、間違いなく、お風呂の中で孤独死だった…、と。もし、これが、気密性の高いマンションでの出来事だったら、お風呂の中で助けを求める声が隣に届いたでしょうか…。戸建て住宅だったから助かったのかもしれません。

また、こんな話も聞きました。戸建てに80歳代半ばの親が一人暮らしをしているといいます。国民年金数万円でも何とか暮らしていけるのは、かなり傷んでいても戸建ての家があるからで、もし、高経年マンションに住んでいて、管理費や積立金で月3万円なんて言われたら、とても暮らせないだろう…と。

そういえば、一人暮らしの高齢の方が、さびしいからペットが飼いたいけど、このマンションでは飼えないので、戸建てに移ろうかと考えているという話も聞いたな…。

また、広い自宅マンションの管理費等の負担額が大きくて、空いている部屋を民泊に使えたら…なんて考えたけど、マンションでは、とても民泊できそうもないから、戸建て住宅に引っ越そうかと考えている…という方もいました。

最近は、高齢で役員ができない方からは、役員を免除するかわりに協力金をとる…、そんな話も聞きます。

高齢、年金暮らしになったら、お金の使い方も生活プランも自分の現状に合った形で設計でき、周りの目も届きやすいから、戸建てに移った方がいい…、なんて話も、今後出てくるのかな…と、考えさせられました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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