一夜明けた5月8日、次期大統領に決まったエマニュエル・マクロンに反対する大規模なデモがパリ市内で湧き上がりました。
このデモの参加者はルペンの支持者ではなく、第三極です。
そのあたらしい「極」とは、政治家不信を募らせた棄権投票者たちなのです。
今回の決選投票では、無効票・白票を合わせた「棄権投票率」が、Ipsosの調査で25.3%を記録しました。
これはジョルジュ・ポンピドゥーとアラン・ポエールが争った1969年の大統領選第2回投票以来、48年ぶりの高水準となります。
このあたらしい「極」=政治家不信を募らせた棄権投票者たちは、米国でトランプ大統領を結果的に押し上げた動きと同じです。
先週もお話ししたように、多くの報道では、米国ラストベルトの人々がトランプに票を投じたために予想外のことが起こったと言われていますが、実際、僕自身がラストベルトを訪れて多くの人々の声を聞くと、政治家不信から投票を棄権した人たちばかりだったのです。