何度注意してもゲームを止めないお子さんに、ついカッとなって「ゲーム禁止!」と言ってしまった経験がある方、多いかと思います。しかし無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、親による「一方的な禁止」はかえって逆効果だとした上で、「自主的にゲームをやめられる子どもに育てる為の2つのコツ」を伝授しています。
ゲームを与える? 与えない?
子どもにとって好ましくないモノへの対処について。いくつかお伝えしたいことがあるので、何回かに分けて書いていきますね。
「好ましくないモノ」と言うと曖昧ですし、人によって考え方が様々かと思いますが、ここでは例として、
- 体に悪い食べ物
- ゲーム
- テレビ
- 意地悪
- 乱暴
- 物を買い与えすぎる人
などを想定します。対処方法は大きく分けて2つの方向性があります。
ひとつは、触れさせない方向(A)──避ける、問題を子どもから離す、排除する、などの対処方法。言い換えると、親が対処する方法です。
もうひとつは、触れさせる方向(B)──問題に接しても大丈夫なように子どもを育てるという対処方法。こちらは、子ども自身が対処する方法になります。
どちらが適しているかは、ケースバイケースですが、主に「問題の大きさ・重さ」と「子どもの年齢・成長度合い」の比較で決まってきます。もちろん子どもがとても小さいうちは(A)100%となりますが、最終的には(B)100%を目指す必要があります。
「自分で対処する」ことを始めさせる時期は、大まかな目安として3歳頃でしょうか。実際に、どの家庭でも「嫌なことを『イヤ』『やめて』と言う」などは自然と教えていることでしょう。小学校に入るあたりから子ども自身で対処する比率を高くしていって、小学校を出るまでには基本的にはすべて自分で対処できるように、成長を支えてあげたいところです。
重要なので繰り返します。最終的には、子ども自身があらゆる問題に対処できることを目指すべき(何でも独力でという意味ではありません。助けを求めることも立派な対処方法。大事なのはその助けを自分で求められること、という意味です)。
親が子どもを守ることがあっても、それは数年間だけの一時的なものだということを、心得てください。
<例1> ゲーム
私の考えは「ゲームは絶対にダメ!」ではありません。問題なのは、ゲームを「やりすぎてしまうこと」と「いつ・どれだけ遊ぶかコントロールできなくなること」。
子どもが大きくなって友だちの家に行って遊ぶ機会などが増えてくれば、「触れさせない」ことは現実的に不可能になります。小学校に入って1~2年のうちで、子ども自身が対処できるようになれることを目指すと良いでしょう。
子どもが対処できるようになるために必要なこと(≒親がサポートできること)は、次の2つです。
1.問題を理解する
ゲームのやりすぎや、夢中になって自制できなくなることが、なぜ、どのように問題なのかを理解しておく必要があります。大人にとっては当たり前と思うことも、子どもには言葉に出して説明してあげる必要があります。
「長い時間ゲームをすると、目が悪くなりやすいんだよ」
「姿勢が悪くなりやすいから、体にも悪い影響があるんだ」
「生活のリズムが崩れると、家族のみんなも困ってしまうよ」
「あんまり夢中になって、止めて欲しい時に止められなくなってしまうことが心配なんだよ」
このような淡々としたトーンで、問題があることを伝えてあげましょう。くれぐれも、この時点で「脅迫(…だったらゲーム取り上げ、など)」や「買収(…の約束を守れたら…を買ってあげる、など)」などを織り交ぜてしまわないよう、ご注意を。あくまでも、子ども自身が問題があることを理解して、自分の意思と判断で対処することが大切。横から余計なインセンティブを挟み込むことは、ジャマにしかなりません。
2.代替案がある
友だちと集まって遊ぶ時に、ゲーム以外に楽しく過ごせる方法を知っていれば、ゲーム機の電源を切ることはずっと簡単になります。代替案として一番優れているのは、外遊び。小さい頃から外でいっぱい遊んだ経験があれば、それで充分。
天気が悪い時の過ごし方も知っているに越したことはありませんが、要は小さい頃からの遊びの経験の問題。これらは、ゲーム機を持つようになってから対応するという種類の話ではありません。小さいうちから家族で、あるいは友だちと、いろいろな遊びを楽しんだ経験をどれだけ積んでいるかの話。
子どもが小さい頃から、「子どもの遊びをジャマしないこと」と「可能な範囲で時間を作って一緒に楽しむ」ことをしていれば、親の役割としては充分です。
まとめると、子どもがゲームと適切に付き合うために親ができるサポートは、
- 小さい頃からよく遊ばせてあげて
- ゲームを持つ時にはその問題点を教えてあげる
の2点ということになります(簡単でしょ?)。
ちなみに我が家では、息子が1年生になって友だちと遊ぶ時にDSを借りてプレイするようになり、本人の強い希望で2年生になった頃(7歳の時)に購入しました。だいぶゲーム好きな性質らしく大いにハマっています(苦笑)が、特に支障は出ていません。
天気のいい日の放課後は、「校庭に直行」と「友だちと誰かの家に集まる」が1:2程度。家に集まると当然のようにゲームが始まりますが、小一時間もすると息子は「そろそろ外行こうよ」と言い出し、ぞろぞろと公園に移動します。雨の日も、室内で友だちとゲームをするものの、室内用の柔らかいボールでサッカーをしたり、ゲーム以外の遊びと行ったり来たりしているようです。
家で一人でゲームをしている時も、「そろそろご飯だよ。テーブルの用意して~」と言えばすぐ動きますし、「だいぶ長い時間続けているみたいで、目と体が心配だよ」と言えば、「ん」と答えて打ち切ります。時には「もうちょっとでキリが良くなるから」とお決まりの返事もありますが、ちゃんと数分で終了できています。
ゲームに興味がある子は必ずゲームをします。どんなに親が禁止したり排除したりしても、それは子どもをゲームから遠ざける効果はありません。親のいないところで、親に隠れて遊ぶようになるだけ(我が家でも一度、妻が怒鳴ったらその後押入れでゲームしていたという事件がありました・苦笑)。
この時代に生まれてきたのだから、無理に避けようとするのではなく、上手に付き合えるようサポートしてあげられたら良いのでは、と思います。
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