先日の九州地方に続き、四国から関東甲信まで一気に梅雨入りし、今年も雨の季節がやってきました。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』の著者・須田將昭さんが紹介しているのは、和語と漢語について。窓の外の雨を見ながら、「雨」のつく語に思いを馳せてみませんか?
「雨」に関する言葉あれこれ
「雨」で終わる言葉を見ていると、あることに気づきます。ちょっとグループ分けしてみます。
Aグループ
秋雨、大雨、霧雨、小糠雨、涙雨、俄雨など
Bグループ
隠雨、煙雨、穀雨、弾雨、氷雨、雷雨など
お気づきになったでしょうか。Aグループは「~あめ」のグループで、Bグループは「~ウ」となるグループです。言い方を変えると、Aグループは訓読みで、Bグループは音読み。つまりは、Aグループは和語(やまとことば)で、Bグループは漢語となります。100%全部がそうなのかは、もっと厳密、緻密に確認しないといけないかもしれませんが、とりあえずおおよそ分けられるはずです。
そういう視点からあらためて眺めてみると、「日本語には雨のつく語が多い」と一言で言っても、もとから日本にあった和語以外にもたくさんの漢語由来の言葉があることにも気づきます。
日本語の語種構成は時代とともに大きく変わります。『万葉集』の時代では9割以上が和語で表現が成立しています。それが平安時代ぐらいから少しずつ漢語が増え、戦後あたりでは漢語の方が和語を上回ります。近年では外来語がかなり増えています(国立国語研究所の語彙調査など)。
長い時代を経ても使われている言葉は、「その語の出自」が意識されることなく,日本語として使われます。また、本来の漢語で使われていたイメージとは違う表現となっているかもしれません。漢詩を読みながら、そこに出てきた「雨」に関する言葉を味わう時に、ちょっと心したいところです。
たいていは、同じ温帯地域に属しているのでイメージに近しいものはあるはずですが、それでも地域の違いによる違いも少なくはないはずです。
みなさんの好きな雨に関する言葉は、「~あめ」で終わる大和言葉ですか? それとも「~ウ」で終わる漢語ですか? ちょっと思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
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