~村上龍の編集後記~
「米や機械の声が聞こえる」と雜賀さんが言って、「ゴールが明確で、現状足りないところを考え抜いているとき、対象が話しかけてくる気がする、小説も同じです」と応じた。
職種は違うが、同じく創造者だと思った。
今は、技術者の時代だ。情報・知識と、技術が、飛躍的に進化して広く速く伝播するようになり、それらの組み合わせが天文学的に増え、イノベーションが主役になった。だが、雜賀さんは正真正銘の発明家だ。
「玄米の色は、実に美しい」
誰よりも長く、真剣に米を愛し、常識と闘ってきた人だけが持つ言葉だと思う。
<出演者略歴>
雜賀慶二(さいか・けいじ)1934年、和歌山県生まれ。中学卒業後、家業の精米機販売・修理に従事。1961年、東洋精米機製作所を立ち上げる。1985年、東洋精米機製作所社長に就任。2013年、東洋ライス社長に就任。
source:テレビ東京「カンブリア宮殿」