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日本市場に見切りをつけた日系大企業が海外で大ブレイクしている

日本企業が生き残りをかけて、次々に海外へ進出しています。NY在住で『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者・りばてぃさんによると、海外進出している日系企業の数は過去最多。多くの有名企業が「人口減少」に拍車がかかる日本の将来を懸念して海外事業に力を入れ始め、その営業努力が受け入れられ、売り上げ向上に繋がっているのだとか。一体どんな企業が海外で人気を博しているのでしょうか?

歴史上もっともグローバル化している日本!?

(1)いろんなところに日系企業の商品

市場調査や取材で街歩きをしていると、けっこういろいろ新たな発見があって、中には意外な事実に驚かされることも。

先日、メルマガのあとがきでも軽く触れたが、日本の下着メーカーのワコールが、アメリカの小売店にけっこう進出しているのだ。

女性用商品を取り扱うブティック他、マンハッタン内にある各種デパートでは必ずといってワコールの商品を取り扱っている

高級デパートのバーグドルフ・グッドマンに、サックス・フィフス・アベニュー。

老舗デパートのメイシーズに、ブルーミング・デールス。

そして、ロード&テイラーは下着売り場フロア全体の3分の1もの広さをとってワコール商品を販売している。

とにかく、ワコールさんの商品をマンハッタン内でよく見かけるのだ。

あまりにもよく見かけるし、ロード&テイラーの売り場面積の広さが印象的だったので、実際の売上を調べてみた。

そしたら、なんと、2016年度のアメリカでの売上が200億円超!? もあるという。

また、海外事業強化する3か年計画を2016年4月からスタートし、中期経営計画の業績目標数値は連結売上高で2,150億円以上、連結営業利益150億円以上を目標にしているそうだ。

(ご参考)

以前からワコールさんの商品を見かけるなぁなんて思ってはいたけど最近特に目にするようになったのは、海外事業を強化している営業努力によるものなのだろう。

ニューヨークでよく見かける日系企業の商品と言えば、ワコールさんだけじゃない。

お醤油のキッコーマンさんの商品もよくみかける

しかも、日系の食品スーパーだけでなく、米系の地元地域に根差したお店でもだ。

メインはお醤油だが、他にも、照り焼きソースや炒め物用のソースなど、醤油を元にした調味料をいくつも販売している。

日本人の私たちが、中華風の味付けがしたくて中国ブランドのオイスターソースを買い求めるように、アメリカ人も日本やアジア風の味付けをしたいときは、日本ブランドのキッコーマンの調味料を買い求めるのだろう。

お寿司を家で作るにはハードルが高いけど、醤油をかけた料理は作りやすいはずだし。

これも気になったので、キッコーマンさんの直近の決算発表をみてみると、やはり売上は好調

特に、北米欧州アジア・オセアニアが対前年同期比で増加したそうだ。

北米に関しては、食料品製造販売品の事業が5.6%増、食料品卸売事業は6.5%増だった。

(ご参考)

自社商品を販売しない場合でも日系企業の海外事業展開を確認することができる。

お酢で有名なミツカンさんはパスタソースで有名な「ラグーベルトーリをユニリーバから買収

この2ブランド合わせて、北米の家庭用パスタソース市場の33%ものシェアを持っている。

スーパーマーケットでパスタソースを買う時、「ラグー」と「ベルトーリ」を買うとミツカンさんを応援することになるのだ。

(ご参考)

ミツカンがユニリーバから「ラグー」と「ベルトーリ」を買収!!!

この他にも伊藤園さんによるコーヒー豆会社の100億円での戦略的買収など事例は多々。

そして、ニュースなどでは報道されないけども、海外で活躍する日系企業は多数。

その一端を垣間見れる資料を海外事業展開を支援するジェトロ(日本貿易振興機構)さんが発表している。

2017年3月付の「日本企業の北米展開事例」だ。

アメリカで海外事業展開する日本の企業へのインタビューを「外食・食品」、「製造業」、「小売・消費」、「IT・サービス」などにわけてまとめられたもの。

ジェトロの北米各事務所(NY、LA、サンフランシスコ、トロントなど)が協力して作っているため、ニューヨークだけでなくアメリカ国内での様々な事例を知ることができる。

ジェトロさんによれば、『北米展開の事例から、市場の特性、直面し得る課題、解決方法のヒントなどが読み取れる』とのこと。

最新版は全部で40社以上もあるので以下、ご参考まで。

(ご参考)

(2)日本史上もっともグローバル化

ジェトロさんと言えば、4月にジェトロさん主催の会員向け勉強会で講師をした背景もあり、ちょくちょくジェトロの職員さんとお話しをする機会がある。

ちょうど、最近もお会いする機会があったので、日系企業の米国事業展開の状況について話題になることもある。

多くの日本の報道でも指摘されているように、日本国内の人口減少から海外に出ていないほうがヤバい、と認識する企業が多く、その支援をどうやっていけるか争点になっているのだとか。

実際、どのくらい、海外に事業展開する日系企業が増えているかというと、実は史上最多という調査発表が出ている。

5月31日付の日本の外務省による「海外在留邦人数調査統計」で、2016年10月時点での海外在住邦人数と日系企業数をとりまとめている。

具体的には、海外進出している日系企業数は、対前年同期比で1.0%増となる7万1820拠点で過去最多を記録。

国別では、1位が中国の3万2313拠点。

ただし、前年より3.2%減少している。

2位はアメリカで8422拠点。

7.3%増加。次いでインドの4590拠点で6.4%増加した。

海外滞在3カ月以上の邦人総数も増加しており、対前年同期比1.6%増の133万8477人と、こちらも過去最多を更新した。

国別でみると1位はアメリカで42万1665人(同0.5%増)、2位は中国の12万8111人(2.3%減)、次いでオーストラリアの9万2637人(3.9%増)。

(ご参考)

なにやら知らないうちに、日本が歴史上もっともグローバル化していることにちょっとビックリ。

image by: Shutterstock

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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【著者】 りばてぃ 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

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