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思いついたら途中下車。古の情緒を気軽に味わう、京の駅近を歩く

かしこまった旅でなくとも、そう、たとえ途中下車であっても古の情緒を感じられるのが京都の魅力のひとつ。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英学(はなぶさ がく)さんが、そんな古都の雰囲気を気軽に味わうことができる、京都駅にほど近い有名スポットを紹介してくださっています。

京都駅周辺の観光スポット

今回は、出張やちょっと通りがかったといった時でもほんの数時間あれば行けてしまう京都駅周辺の有名な場所をご案内します。意外なことに京都駅の近くにはとても有名な名所が数多く点在するので通りすがりでも楽しめてしまうこと間違いありません。今回はそんな誰もが知る名所をいくつかご紹介します。

早速参りましょう! まずは京都が誇る新旧のランドマークからご紹介します。五重塔で有名な東寺とロウソクと勘違いされている京都タワーです。

東寺


image by: 京都フリー写真素材

正式には、教王護国寺(きょうおうごこくじ)です。京都駅から歩いて15分ほどの場所にあります。国宝でもあり京都のシンボルでもある五重塔は現存する最も高い木造建築で高さ55メートルもあります。現在の塔は5代目で江戸時代3代将軍徳川家光が再建したものです。

東寺は京都に都が移された794年に、桓武天皇が国家を守るために建てた国のお寺、官寺です。その後、弘法大師・空海が密教を広める時に中心的な役割を担った場所でもあります。そのため今でも、空海の月命日である21日は弘法市が開かれます。毎月21日は「弘法さん」と言われ、東寺境内には沢山の露店が出ます。主に骨董や古着、屋台などが所せましと並び多くの人で賑わいます。

京都の方たちは遠方から帰ってくる時、電車の窓から東寺の五重塔が見えると「ホッ」とすると言いますよね。

東寺(教王護国寺)世界文化遺産

京都タワー

京都駅中央出口目の前にそびえ立つ京都タワーもまた京都のシンボルの一つです。1964年に当時の京都市の人口が131万人だったので高さを131メートルにしたようです。地上100mの展望台からは京都の街並みを見下ろすことができます。

8月の「五山の送り火の5つ全ての文字を同時に見ることが出来るのはここからだけだそうです。近年では京都駅構内にあるホテルグランビアの上層階からもみえるようですが…。そのぐらい京都には高い建物が制限されていて遠方まで見渡せる場所が他にあまりないということです。

また、あまり知られていませんが地下には温泉施設もあります。このお風呂、朝7時にオープンするので夜行バスで京都に着く観光客や地元の早朝ランナーの間では人気なんだとか。もちろん夜の夜景も楽しめるので京都観光の締めくくりにもいいかもしれません。

西本願寺


image by: 京都フリー写真素材

京都駅から徒歩15分ほどの場所にある西本願寺は、世界文化遺産にも登録され、国宝・重要文化財などの宝庫と言われています。

浄土真宗本願寺派の本山である西本願寺に現在の地を与えたのは豊臣秀吉です。秀吉の死後、西本願寺の宗派が分裂し、徳川家康が土地を与え造らせたのが、浄土真宗大谷派の本山・東本願寺です。

関ヶ原の戦いから2年後の1602年、家康は本願寺が豊臣家と一緒に抵抗することを恐れました。元々燻っていた本願寺の内部分裂を利用し、現在の東本願寺を建てたと言われています。本願寺は、戦国時代から権力者すらも脅かす強大な勢力を持っていたので、家康としては弱体化しておきたかったのでしょう。

西本願寺と東本願寺をよく比べてみて下さい。使用されている柱の素材や畳の向き門の形状などそれぞれ異なります。パッと見た感じだと、どちらも広大な敷地に荘厳な建築物が建っていて似ていますが、実は異なるものの方が多いのに気づきます。お立ち寄りの際は国宝の唐門(日暮門)や美しい日本庭園などの見どころを満載して下さい。

西本願寺「お西さん:世界文化遺産」

東本願寺

西本願寺は秀吉との結びつきから絢爛豪華さを垣間見ることが出来ますが、東本願寺はわびさびの美しさを感じることでしょう。

御影堂、阿弥陀堂などの尊大な建築物のほかに、宝物を展示するギャラリーも見逃せません。

● 東本願寺「お東さん」
● 「お西さん」と「お東さん」

渉成園


image by: 京都フリー写真素材

梅と紅葉の名所として知られる庭園で有名な癒しのスポットです。東本願寺が有する渉成園は、1653年に三代将軍・徳川家光によって造られた池泉回遊式庭園を有する東本願寺の別院です。春は梅や桜、夏は菖蒲、秋には紅葉に彩られる美しい庭園が有名で、昔から地元の人達にも親しまれてきました。

平安時代、光源氏のモデルとなった源融(みなもとのとおる)の邸宅跡・六条河原院だったとされています。百人一首にも登場する河原左大臣こそが源融です。意外にも京都駅の側に源氏物語ゆかりの地、百人一首ゆかりの地があるのです。

伏見稲荷大社

皆さんも朱色の鳥居が続く「千本鳥居」の風景を、ご覧になられたことがあるでしょう。京都駅からJR奈良線で2駅(約5分)乗って伏見稲荷駅で下車するとすぐ目の前に大鳥居がそびえます。

伏見稲荷大社は、全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮です。起源は711年と伝わるので、京都に都が移される以前に創建された歴史の古い由緒ある神社です。豪族の秦伊呂具(はたのいろぐ)が稲荷山の三ヶ峰(さんがみね)に三柱の神を祀ったのがはじまりと言われています。

千本鳥居のほかにも、楼門や、国の重要文化財にも指定されている本殿、白狐(びゃっこ)像などが見所です。時間に余裕があり、体力に自信がある方は、稲荷山の山頂を目指す「お山めぐり」を試してみてはいかがでしょうか。神様が降臨したと伝わる場所なので一度目指してみることをお勧めします。本殿から山頂(一ノ峰)まで約2kmの道のりをぜひ楽しんでみて下さい。

東福寺


image by: 京都フリー写真素材

京都駅からJR奈良線で一駅のところにあるのは禅寺で有名な東福寺です。伏見稲荷大社からだと京都駅方面に約20分歩くと見えてきます。日本最古・最大級の伽藍で有名な東福寺には中でも現存する日本最古のトイレがあります。

そして、京都でも屈指の新緑(青もみじ)・紅葉の名所です。境内には約2,000本のカエデが植えられ、例年11月下旬~12月上旬の紅葉シーズンには絶景を拝むことが出来ます。「通天橋」から眺めるカエデは一生に一度は見たい光景に入るぐらいの美しさです。

日本最古、最大級の伽藍を堪能した後は、美しい本坊庭園など歴史ある建造物を見物することをお勧めします。

東福寺 京都五山第4位

角屋もてなしの文化美術館

現存する江戸時代の揚屋(あげや)で、現在は内部を美術館として開放しています。建物自体が重要文化財に指定されている他、与謝蕪村の紅白梅図屏風」など美しい日本画の数々を見学できます。

角屋もてなしの文化美術館
【京都案内】龍馬も通った京の花街「島原」の意外な地名の由来

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock.com

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毎年5,000万人以上の観光客が訪れる京都の魅力を紹介。特にガイドブックには載っていない京都の意外な素顔、魅力を発信しています。京都検定合格を目指している方、京都ファン必見! 京都人も知らない京都の魅力を沢山お伝えしていきます。

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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