北ミサイル報道でかき消された、金正男氏の「死」にまつわる謎

 

毎年6月と言えば、「モネギ チョントゥ田植え戦闘)」の話でもちきりになるのだが、今年はほとんど伝えられることはない。中朝国境にいる「定点観測者」からは、「今年も田んぼでは田植えのために大勢の人が手で植えている」と伝えてきたが、東北地方の貧しい農村地帯で育った私には、この田植えの話が一番関心があるのだが、日本のマスコミには関心がないようだ。

私はいつも「(海外への)恫喝にはミサイルを、田植えは“糞尿弾”で臨む」としてきたが、3月の国連安保理の採決に基づく、「北朝鮮経済制裁の実施」により中国などからの肥料の輸入量が減るのではないかと懸念していたが、これは2月に大量の石油と肥料を中国から輸入した、という記事である程度は安心していたが、北朝鮮の全国の田畑の農耕地に適した肥料がはたして十二分に供給されたのかは疑問である。

もう1つ気になっていたのが、マレーシアから北朝鮮に送還された金正男の遺体の件である。北朝鮮があれほどVXガスによる殺害ではないと否定していたので、その後、何らかの検査結果の発表があるのではないかと期待しているが、いまだにない(あるいは私の見落としか)。

ある外交評論家は「異母兄の金正男氏を、VXガスを用いて暗殺した。なぜ、他の毒物をいくらでも使うことができたのに、そうしなかったのか?VXガスを大量に貯蔵していることを示したかったのだ」と、北朝鮮が大量のVXガスを貯蔵していることを言っているが、この評論家はどこから北朝鮮のVXガスの貯蔵量を調べたのか(聞いたのか)。巷のインターネットで、アメリカ、ロシアに次いで北朝鮮が2500~5000トンで世界3位の貯蔵量である、という記事をそのまま引用したのだろう。

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