【高城剛の未来予測2023】五輪汚職事件の捜査のメスは電通どまり。東京地検も壊せぬゼネコンの堅い壁

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メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者で、世界を股にかけ様々なメディアで活躍しているクリエーターの高城剛さん。コロナ禍前には恒例となっていた年一回のロングインタビューが、このたび約4年ぶりに復活しました。2022年の大ニュースを振り返りつつ、2023年以降に日本は、世界はどうなるのか。高城さんが私見たっぷりに語ってくれました。インタビューの全文(約1万8000字)は、1月中に高城剛さんの有料メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』にご登録されれば読むことができます。

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東京五輪招致賄賂問題の元凶はゼネコンにある

高城「今回の東京オリンピック・パラリンピック2020(以下、東京五輪2020)問題も、現段階で電通にまでメスが入りました。でも、根っこはゼネコンだと思います。とにかく、穴を掘って穴を埋めるというのが一番儲かるから、それを繰り返してきたわけです。新国立競技場建設も、(莫大な予算を必要とする)ザハ案で進められました。その後、ゼネコンが儲からないと分かり、A案とB案で再度建築案が見直されましたが、実は出来レース。ザハの案のために買ってしまった資材をもとに一回組み上げて、外装を変えた案にはじめから決まってたんです。

東京五輪2020後も、開催自治体である東京都は、競技場周辺や湾岸地域をはじめとする一等地を、大手デベロッパーに安く払い下げて、商業施設を造る計画を進めています。神宮外苑のイチョウ並木が伐採されると、話題になりましたから、ご存知の方もいるでしょう。そうしたディベロッパーに、東京都から役人が大量に天下っていくという構図が繰り返されているのです」

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──なぜ東京五輪2020の内情に詳しいのですか?

高城「皆さん、お忘れかもしれませんが、東京五輪2020の前、2016年も東京はオリンピック招致をしていて、僕自身がプレゼンテーション映像の総合ディレクターを務めていたからです。残念ながら、その時はブラジル・リオデジャネイロに負けましたが。2016年ではコンパクトオリンピックを謳い、東京湾のエリアで予算3000億くらいに留めてスマートにやるというアイデアでした。今でいう、とてもサステナブルなオリンピックだったのです。東京五輪2020は結局3兆円以上かかったと言われていますから、結果的にゼネコンピックになりました。

ちなみに、オリンピック招致に至るまでにも、かなり紆余曲折がありました。まず、1995年に元タレント議員の青島幸雄さんが都知事になり、翌96年に開催が決まっていた臨海副都心地区での世界都市博覧会が白紙になりました。もともとゼネコンは湾岸地域を開発して副都心にするという目論見でしたから、当てが外れたわけです。それで、「青島さんに都政を任せられない」と、石原慎太郎さんを都知事に担ぎ出しました。それで、博覧会中止で空いた土地に、カジノを誘致しようという話になりましたが、これはパチンコ業界からの反発にあい断念。このアイデアは、そのままシンガポールのマリナベイに流れます。その次に考えたのが、オリンピック招致という流れです」

──東京湾岸地域の開発が、五輪招致の発端だったのですね。

「2016年招致は、正攻法でプレゼンテーションをしたから敗れたとも言えますね。その後、招致レース経験者として、結果的に東京五輪2020にも関わることになりました。

ただ、2016年の経験から、目に見えるプレゼンテーションは誰がやったところで評価の対象にはならないとわかりました。いくら良いものを創って必死に頑張ったところで、無駄なんですよ。開催地決定の朝には、すでにどこが勝つか決まっているのですから。ご存知、裏金の力です。IOCへの忖度…ありていに言えば、IOCの委員に裏金をどれくらい蒔くかで決まると言っても過言ではありません。

東京五輪2020招致では、IOC委員の贈り物として発覚しやすい現金以外に高価な腕時計などが使われました。現金よりも渡すときにスマートですからね。そうした影で動く人たちによって、五輪招致は決まっていくのです。」

──東京五輪2020招致にも関わっておられたとは驚きです。

高城 「決選投票の日、ブエノスアイレスにいました。ただ、石原都知事が辞めてしまわれ、その後を猪瀬直樹さんが引き継ぎました。しかし、ゼネコンおよび都連を中心とした利権団体と対立して退陣させられてしまいました。それで、言うことを聞く舛添要一さんが都知事になり、最終的に小池都政での開催になりました。その間、どんどん予算だけが膨らんでいきましたよね。ゼネコンとしては、コンパクトになんてやってほしくないわけですから、思う壺です。意に沿わない知事は、マスコミと一体になってスキャンダルで潰せばいいだけです。」

──―結局また、ゼネコンの話題に戻ってきましたね。

高城「これこそが、最初に話をした日本の旧態依然としたレジームです。コロナ禍で飲食店を助けるために時短や休業補償の給付金を支給しましたが、あれは飲食店を助けるためではありません。大家さん、つまり不動産関連やゼネコン、地権者を守るための資金なのです。本当に飲食店を救うためなら、他国同様、一時的に家賃をタダにする措置を取ればいい。でも、それでは自民党の支持者である地方の地主やゼネコンが困るから、飲食店を隠れ蓑にしてお金をばらまいたという話です。」

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ウクライナ紛争は半永久的に続く

──―ロシアとウクライナの今後についてのご考察をお願いします。

高城「半永久的に、終わりが見えないなと感じています。まずは、個人的な見解から述べますが、かつて僕自身がイビサ島で毎週DJをやっていたとき、ウクライナ出身のダンサーと親しくなりました。彼女たちはとても重宝がられていました。見た目がよく、酒が強いからです。ダンサーはパーティーのプロモーションをするため、町中のバーを回ってショットを1杯ずつ飲むという儀式があり、その後に朝まで踊ります。だから、酒が強くなければ務まらないのです。

その時、彼女たちからいろんな話を聞くようになり、ウクライナは西側と東側で全然違うということを教えてもらいました。東西ともに基本的なメンタリティはロシア人ですが、西側はヨーロッパ系、東側はスラブ系と民族が違っており、東側の人は特にそれが強いというのを理解しました。

週末になるとDJはヨーロッパ各地のフェスに派遣され、僕はトップDJではないので、辺境の地に行かねばならないことも多かった。そのなかにウクライナの黒海で開催されるフェスもあり、オデッサという街のイビザというクラブでも、何度もプレイしました。そこでも、オーガナイザーやダンサーたちからウクライナで経済的に強いのは東側で、西側は小麦などを作る農業従事者が多いとか、東西の分断について随分聞きましたね。基本的には別の国なんです。」

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──ニュースで、ウクライナは世界屈指の穀倉地帯だと報じていました。

高城 「それはウクライナの西側で、多くは農民です。経済圏は東側にあり、かつてのソ連軍事基地も多い。東側では、たくさん稼いで納めた税金が西側に持っていかれると感じている人が多かったですね。さらに、ロシア正教だったところにウクライナ正教会という新興宗教みたいのが突然でき、余計に話がこじれてしまった。金も宗教も搾られるなんて我慢できない、だったら独立しようというときに、もともと統治していたロシアが後ろ盾になったわけです。すでにクリミアなんかは独立していますよね。それと同じような道を辿ろうとしていたときでしたから、ダンサーたちはロシアとウクライナと2国のパスポートを持っていましたね。つまり、多くのウクライナ人にとって、心の母国と実際の母国は違い、場面で都合よく使い分けているのです。二枚舌と言われるゼレンスキーの背景です。」

──宗教や民族問題が絡むとなると、やっかいですね。

高城 「だから終わりが見えない。そうそう、ウクライナのフェスを仕切っていたのもロシアンマフィアでした。実は今回の戦線で、ウクライナ兵に対してロシア正規軍と一緒に闘っているのはロシアンマフィアです。税金もそうですが、やっぱりウクライナ正教会は問題です。ウクライナ正教会というのは、日本で言えば統一教会みたいなもの。アメリカの軍部、CIAと繋がっていて、この人たちが当地を荒らしているんです。」

──22年末に、バイデン大統領はウクライナへのさらなる支援を表明しました。

高城「サウジアラビアに次いで、ウクライナに十分に兵器を売ったわけですよね。軍産複合体にとっては相当いいお客様です。ウクライナはそろそろ枯れてきたので、次は東アジアですね。この3地域の緊張で、米国の兵器産業は食べています」

次の火種は東アジア。日本もすでに巻き込まれている

高城「この話はずっと言っていますが、東欧、中東、東アジアで戦火もしくは緊張が順番に回るんです。ウクライナが鎮火したら、次は東アジアになるでしょう。だから、この年末に武器商人がいっぱい東京にも来ていました。少し前まで、ポーランドあたりをベースに東欧に行っていた人たちが、今は日本をベースに台湾とか韓国辺りと折衝しています。」

──日本もすでに巻き込まれているんですね。

高城「日本はこれから巨額予算が付くから、美味しいですよね。しかも旧式の武器を。

僕はコロナ初期のロックダウン時期、20203月ごろから半年ほど沖縄に滞在していました。ほとんどのホテルは閉まっているなか、本島中部・北谷のヒルトンリゾートは営業していました。あのヒルトンは米軍基地から近く、米軍関係の偉い人たちがよく利用するため閉められなかったのです。

客の中には、パッと見てすぐに軍人と分かる人たちと、一見何しているか分からない人がいましたね。後者はいわば、スパイです。次第に顔見知りも増え、米軍のパーソナルトレーナーと称する人と仲良くなりました。彼のおかげで、普段は入れないような基地内もいろいろ見せてもらいました。基地内では、コーラは買えても、Tシャツは買えないという不思議なルールがありまして、関税の関係でしょうね。

そのパーソナルトレーナーは、ちょくちょく東京とソウルに行っていました。基地の中をあれだけいろいろ見せてくれても、なぜソウルに行くのかは、ついに教えてもらえませんでした(笑)」

【関連】【高城剛の未来予測2023】北朝鮮のミサイルも台湾有事もすべては“演出”。日本は武器商人の草刈り場になる

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