いくら商品やサービスが優れていても、それを扱う「ヒト」に問題があってはビジネスチャンスを掴むことは困難です。無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、「完璧な人間はいない」と前置きした上で、ビジネス上、必要最低限な「ヒト」となるために守るべきたった2つのポイントを記してくださっています。
商売、ビジネスに必要な「ヒト」
「ヒト・モノ・カネ」とはよくいった言葉で、商売やビジネスはこの順序で成り立っており、そのヒトの信用や信頼がまず重要であるという、この原理原則は変わることはありません。
そんなことは十分解っているし、感謝という言葉も口にする。でも、この当たり前のことがきちんと出来ていない経営者も結構いるものなのです。自己都合や自己利益のみを追求する経営者がそうです。
信頼のおける会社やお店だから安心して商品を購入したり、サービスを利用できる、あるいは、仕事を発注できる。などといった信頼の中は、商品力、サービスの質、技術力といったものが大半を占めます。
ですが、それ以上に大切なものがあります。それが「ヒト」です。
「商品が素晴らしいのは十分わかった。でもあんたからは買いたくない」
「あのイタリアンレストランのパスタって美味しいって評判だけど、スタッフの態度が悪いからもう2度と行かない」
「A社の技術力は認めるけど、あの担当者でいる限り、仕事を依頼することはない」
こうなると、まさに悲劇です。どれだけクオリティの高い商品やサービス、技術も、それを提供するヒトに問題があり、信用や信頼が無ければ、結局は宝の持ち腐れ。意味がなくなります。
とはいったところで、完璧な人間などいないということも事実です。では、商売やビジネス上、必要最低限な「ヒト」となるにはにはどうすればいいでしょうか? 一緒に考えてみましょう。
なにも自己啓発のように難しく考える必要はありませんし、またそういった類のセミナーに通う必要もありません。以下に挙げるたった2つのことをちょっと意識してみるだけで良いです。
- どのような相手に対しても無条件に貢献や救済の意志を持つこと。
- 自分にも弱さがあるように相手にも弱さがあるということを十分に理解しておくこと。
この2つを守るようにしておけば、相手からあなたに対する接し方や態度、言動に変化が現れてくるでしょう。または、益々周りからの支持が得られ、信頼は深まっていきます。
まず相手の利害を考えること。自己の利害しか考えらない人間というのは、どれだけ仕事ができようと、大成しようと誰もついてこなくなります。誰も応援してくれなくなります。誰も協力してくれなくなります。やがて、崩壊していきます。
そして、自分の弱さを認めることが出来なければ、相手の弱さを理解することが出来ません。そういう関係では、決してWin-Winにはなれません。というか、誰もサポートしてくれないのでWinできません。
たとえば、こんな人がいました。その人は、よく「お願いごとがあるときにだけ」連絡をくれました。頭もキレ、仕事も出来る人です。ですが、毎回お願いのときにだけ連絡してくるというのは明らかに自己の利害しか考えていないので、そのような人とは付き合いたくないと正直感じていました。案の定、長い付き合いにはなりませんでした。
また、こんな経営者もいました。「自己資産を10億にするために会社をやっている」とスタッフ達に豪語します。若いスタッフ達は「スゲ~」とか「社長みたいになりたい!」なんていってましたが、裏では、みな「あんたの金儲けのための道具じゃない」と愚痴っていました。もう崩壊寸前です。
自己資産を蓄えるために会社をやろうがやるまいが自由ですが、スタッフがついてこなければ、それも叶いません。
ということで…、自己の利害しか考えらないというのは、商売、ビジネスにおいて最低限必要な「ヒト」として欠如しています。そして、そういう「ヒト」は、自分の弱さを認めることができないので、相手の弱さを理解することも出来ません。よって、人が育たないし、いざというとき誰も助けてくれません。
逆に、最低限必要な「ヒト」であり続けることで、周りからの信頼を得、正しく発展、成長していくことが出来るのです。
ヒト、モノ、カネ。この言葉は、必ずヒトから始まります。このことを肝に銘じておいたいですね。
■今日のまとめ
『ビジネス・商売上、最低限必要なヒトになる』
- 商売、ビジネス上、最低限必要なヒトとはどういうことをいうか? ノートに書き出し、定義する。
- 定義したことを常に守り、仕事をしていくための工夫を考えノートに書き出す。
- 社内でも上記2点について話し合ってみる。
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