やっぱりプーチンが好き。ついに初対面したトランプのジレンマ

 

正しい戦略軌道に乗れないトランプ

トランプの頭の中は、いまだに、「ロシアと和解して中国に勝つ」なのでしょう。実際、中国は、GDPでも軍事費でも世界2位。ロシアのGDPは2016年時点で世界12位。韓国より下なのです。

「中ロ、どちらがアメリカの覇権を脅かすか?」

結論は明らか。トランプの「ロシアと和解して、中国に勝つ」は、ミアシャイマーさん、ルトワックさんの戦略です。そして、国家通商会議のトップ、ピーター・ナヴァロ教授の戦略でもある(これ、日本人必読です。『米中もし戦わば 戦争の地政学』ピーター・ナヴァロ)。

なぜ世界最強国家の大統領が、自分の戦略どおりに動けないのか? そう、「敵が多すぎるから」です。敵とは?

  • 野党民主党(オバマ、ヒラリーは健在です)
  • 与党共和党の「反ロシア派」
  • マスコミ(CNN、ABC、ニューヨーク・タイムズなど)
  • 諜報機関(CIAなど)
  • 国際金融資本(彼らはグローバリストで、ナショナリストのトランプが嫌い)

そして、「トランプ政権の矛先をプーチンに向けさせる」ことで、最も得をしているのが中国・習近平。これが、今の世界で起こっていることです。

安倍総理は、

  • アメリカとの同盟関係をますます強固にする
  • 「未来の同盟国」インドとの関係を、ますます深める
  • ロシアと接近することで、結果的に「中ロ同盟」を分断する
  • 中国を挑発せず、良好な関係を維持する

ということで、やっていきましょう。重要なのは、「関係の秩序を維持することです。

すなわち、

  1. アメリカ、インド
  2. ロシア
  3. 中国

これを維持すれば、中国は動けません。しかし、鳩山政権のように、

  1. 中国
  2. アメリカ

と露骨にやると、日本国にさまざまな不幸がやってきます。このこと、私たちは民主党政権で痛感しました。

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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