【豆知識】なぜ、能と狂言は同じ舞台で交互に演じられるのか?

 

セリフ中心・笑いの芸術・狂言

狂言は面をつけず、「ござる調」で演じられます。一方狂言は「笑いの芸術」とも言われています。庶民の日常生活を面白おかしく描く喜劇です。オチが分かっていてもつい笑ってしまうのが狂言の魅力です。

主役を「シテ」と呼ぶのは能と同じです。でも「シテ」の相手役は「アド」と呼びます。コミカルで底抜けに明るい「太郎冠者(たろうかじゃ)」などはとても有名な「シテ」役です。体を棒に縛られ、身動きが取りづらい状態で、何とか酒を飲もうとするしぐさが滑稽な「棒しばり」などは有名です。この「棒しぼり」は歌舞伎の演目にもありとても人気のお芝居です。この他にも太郎冠者が登場する話は面白いものばかりです。

狂言は能と違いほとんどの演目で素顔のまま舞台に立ちます。表情豊かな役者さんたちの表情も狂言の魅力の一つです。

能楽の舞台はヒノキで作られたもので、幕や装飾がなく、とても簡素な造りです。正面左側に橋掛りという渡り廊下があり、正面の鏡板にはたくましい松の木が描かれています。元々野外に設置されていたものだったので、屋内の建物の内部にあっても屋根や渡り廊下が備え付けてあります。

歴史的に有名な現存する日本最古の能舞台は西本願寺で見ることができます。1591年、桃山時代の建築で国宝です。書院の北側に位置することから北能舞台と呼ばれています。残念ながら原則非公開なので、特別公開の期間を狙って是非ご覧になってみて下さい。

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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